一人親方の確定申告|外注費・消費税・インボイス
建設業の一人親方の確定申告を、外注費と給与の区分、現場経費・車両費、消費税とインボイスが元請けとの関係に与える影響までやさしく解説します。
建設業の一人親方は、現場で忙しく経理が後回しになりがち。でも確定申告のポイントを押さえれば大丈夫です。やさしく整理します。
一人親方は「事業所得」で申告
元請けや工務店から請け負って働く一人親方は、従業員(給与)ではなく事業主です。受け取った報酬から必要経費を引いた事業所得を、自分で確定申告します。
経費にできるもの
- 工具・道具・電動工具(金額により減価償却や少額特例)
- 車両費・ガソリン・車検・保険(私用兼用なら家事按分)
- 作業着・安全靴・保護具、現場までの交通費
- 資材・消耗品、現場の駐車場代、賠償保険・一人親方労災
年間の利益を入れると、所得税・住民税・保険料と手取りの目安がわかります。
人に手伝ってもらったら(外注費か給与か)
消費税・インボイスの影響
売上が基準期間で1,000万円を超えると消費税の課税事業者に。さらにインボイスでは、元請けがあなたに登録番号を求めることがあり、登録の有無が取引や手取りに影響することがあります。登録を機に課税事業者になった人は 2割特例 で負担を抑えられる場合があります。
対象になるか・納税額がいくらかを数問で判定します。
外注費か給与かの判定
人に手伝ってもらったとき、支払いが外注費になるか給与になるかで、消費税と源泉徴収の扱いが変わります。次のような観点で総合的に判断されます。
- 代替性……本人以外の人が代わりに作業を行えるか(できるなら外注寄り)
- 指揮監督……作業の内容や時間を細かく指示しているか(しているなら給与寄り)
- 報酬の性格……成果物の引き渡しに対して払うか、時間に対して払うか
- 材料・道具の負担……相手が自分で用意しているか、こちらが用意しているか
- 危険負担……完成できなかった場合に報酬を請求できるか
労災保険の特別加入
一人親方は労働者ではないため、通常の労災保険には入れません。ただし建設業などでは特別加入の制度があり、団体を通じて加入できます。保険料は必要経費ではなく所得控除(社会保険料控除)の対象になる点に注意してください。元請から加入を求められることも多い制度です。
一人親方の経費
- 工具・電動工具(10万円以上は減価償却)
- 作業着・安全靴・ヘルメット・手袋などの保護具
- 材料費・消耗品(自分で用意する木材・金物・ビスなど)
- 車両費(ガソリン・車検・保険・駐車場。私用と兼ねるなら家事按分)
- 現場までの交通費・高速代
- 携帯電話代・通信費
- 応援を頼んだ作業員への外注費
- 資格取得・講習の費用(業務に直接必要なもの)
建設業許可と請負金額
一定金額以上の工事を請け負う場合は建設業の許可が必要になります。税務とは別の制度ですが、許可の有無で受けられる仕事の範囲が変わるため、事業計画とあわせて確認しておくとよいでしょう。
税理士に相談すべきライン
外注費と給与の区分が判断しづらい、人を雇い始めた、売上1,000万円前後でインボイスの判断が必要——こうした場合は税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: 一人親方の保険と年金——労災特別加入・国保・老後の備え / 個人事業主の経費 完全ガイド / インボイス制度 まるわかりガイド
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
一人親方は確定申告が必要ですか?
元請けや工務店と請負・業務委託で仕事をする一人親方は、給与をもらう従業員ではないため、原則として自分で確定申告が必要です。受け取る報酬から経費を引いた事業所得を申告します。
手伝ってもらった人への支払いは経費になる?
応援を頼んだ職人への支払いは、外注費または給与になります。区分は実態(指揮命令・時間管理の有無など)で判断され、源泉徴収や消費税の扱いが変わるため注意が必要です。判断に迷う場合は税理士に確認しましょう。
インボイスは一人親方に関係ありますか?
大いに関係します。元請けが仕入税額控除を受けるためにインボイス(登録番号)を求めてくることがあり、登録するかどうかで取引や手取りに影響することがあります。2割特例や簡易課税もあわせて検討します。
労災保険には入れますか?
一人親方は通常の労災保険には入れませんが、建設業などでは特別加入の制度があり団体を通じて加入できます。保険料は経費ではなく社会保険料控除の対象です。
手伝ってもらった人への支払いは外注費ですか?
代替性、指揮監督の度合い、報酬の性格、材料や道具の負担などから総合的に判断されます。給与と判断されると源泉徴収が必要になり、消費税の控除も受けられません。
作業着は経費になりますか?
作業着や安全靴、ヘルメットなど、事業でしか使わない保護具は経費になります。私服としても着られるものは判断が分かれます。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。