車・ガソリン代は経費になる?按分の考え方
事業に車を使う個人事業主向けに、車両費・ガソリン・保険・車検・駐車場の経費化と按分の考え方を解説。車両の減価償却、AIへの相談プロンプトつき。
営業や配達、仕入れなどで車を使うなら、車に関する費用は経費にできます。ただしプライベートと兼用なら家事按分が必要です。
車は経費になる
ガソリン代・保険料・車検・駐車場代・自動車税など、車に関わる費用は事業に使った分を必要経費にできます。
按分の考え方
- 走行距離:事業の走行距離 ÷ 総走行距離
- 使用日数:事業で使う日数 ÷ 全体の日数
どちらでも構いませんが、根拠を説明できるようにしておきます。運転日報のような簡単な記録があると安心です。
車両本体は減価償却
車の購入費は高額なので、原則減価償却で耐用年数にわたり経費にします(新車の普通車6年・軽4年が目安)。事業割合がある場合はその分のみ計上します。
取得価額と耐用年数を入れるだけ。償却スケジュールの目安がわかります。
中古車の耐用年数
中古車は新車より短い年数で償却できます。法定耐用年数(普通自動車は6年、軽自動車は4年)をすべて過ぎている場合は「法定耐用年数×20%」で計算し、端数を切り捨てて最低2年です。6年落ちの普通自動車なら2年になり、1年あたりの償却額が大きくなります。これが「4年落ち・6年落ちの中古車が節税になる」と言われる理由です。
ただし実際に事業で使うことが前提で、事業割合に応じた金額しか計上できません。
車にかかる費用で按分できるもの
- ガソリン代・高速代・駐車場代
- 自動車税・自動車重量税
- 自賠責保険料・任意保険料
- 車検・点検・修理の費用
- 洗車代・消耗品(タイヤ、オイルなど)
- 車両本体の減価償却費
按分の基準は走行距離が説明しやすく、業務用と私用の距離を記録しておくと根拠になります。曜日や使用日数で按分する方法もあります。
ローン・リースの扱い
- ローンで購入……車両本体は減価償却の対象です。返済のうち元本は経費になりませんが、利息部分は経費になります(事業割合で按分)。
- リース……毎月のリース料を事業割合に応じて経費にします。契約の内容によっては資産として扱う場合もあります。
- カーシェア・レンタカー……業務で使った分の利用料を経費にします。
売却・買い替えのとき
事業用の車を売った場合、売却額と帳簿上の残額との差額を処理します。個人事業主の場合、事業に使っていた車の売却は原則として譲渡所得として扱われ、事業所得とは別に計算します。下取りに出した場合も同様の考え方になります。
通勤にも使っている場合
個人事業主の場合、自宅と仕事場の行き来は事業のための移動と考えられることが多い一方、生活のための移動と区別しにくい面もあります。どのような使い方をしているかを説明できるよう、記録を残しておくことが大切です。
走行距離で按分する(具体例)
按分の割合は「あとから人に説明できる基準」で決めるのが原則です。車の場合、走行距離がいちばん説明しやすい基準になります。
例として、1年間の走行距離が12,000kmで、そのうち仕事での移動が7,200kmだったとします。
- 事業割合 = 7,200km ÷ 12,000km = 60%
- ガソリン代が年間18万円なら …… 18万円 × 60% = 10万8,000円を経費に
- 自動車税が年間39,500円なら …… 39,500円 × 60% = 23,700円を経費に
同じ割合を、ガソリン代・自動車税・保険料・車検代・駐車場代・減価償却費にそろえて使うのが基本です。費用ごとに違う割合を使うと、説明が難しくなります。
車の費用と消費税の区分
消費税の申告をする課税事業者の場合、車まわりの支出は課税・非課税・不課税が混ざるので注意が必要です。
| 支出 | 消費税の区分 |
|---|---|
| ガソリン代・整備費用・高速道路料金 | 課税 |
| 自動車税・自動車重量税 | 不課税(税金のため) |
| 自賠責保険料・任意保険料 | 非課税(保険料のため) |
車検の請求書は、整備費用(課税)と法定費用(重量税・自賠責・印紙代)が1枚に混ざっているのが普通です。まとめて課税仕入れにしてしまうと誤りになるため、明細を見て分けて処理します。
なお所得税の経費としては、区分にかかわらず事業割合の分を計上できます。区分が問題になるのは消費税の計算のときだけです。
注意点・税理士ライン
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
プライベートと兼用の車でも経費にできる?
事業に使う割合を按分すれば、その分を経費にできます。走行距離や使用日数など、説明できる基準で割合を決めましょう。
車の購入費は一度に経費にできる?
原則は耐用年数で減価償却します。新車の普通自動車は6年、軽自動車は4年などが目安です。按分が必要な場合は事業割合分のみ計上します。
ガソリン代以外に何が経費になる?
自動車保険料、車検・整備費、駐車場代、自動車税なども、事業割合で按分して経費にできます。
中古車のほうが節税になると聞きました。本当ですか?
中古車は法定耐用年数より短い年数で償却でき、6年落ちの普通自動車なら2年になります。1年あたりの償却額が大きくなるためそう言われますが、実際に事業で使い、事業割合に応じた金額しか計上できません。
車のローンは経費になりますか?
返済のうち元本は経費になりません。利息部分は事業割合に応じて経費になります。車両本体は減価償却の対象です。
按分の割合はどう決めますか?
走行距離で分けるのが説明しやすい方法です。業務用と私用の距離を記録しておくと根拠になります。使用日数で按分する方法もあります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。