コンサルタントの経費——書籍・セミナー・交際費・出張の線引き
コンサルタントは経費が少なく見えますが、実際には計上できるものが多くあります。知識への投資、会食、出張、自宅オフィスの按分まで、判断の軸を示します。
コンサルタントは仕入がないぶん「経費が少ない」と思われがちですが、実際には計上できるものが多くあります。取りこぼすと、そのまま税額の差になります。
知識への投資
コンサルタントの商品は知識と経験です。その維持・更新にかかる費用は、業務との関連を説明しやすい支出です。
- 専門書・ビジネス書・業界誌
- 調査レポート・統計データベースの利用料
- オンライン講座・セミナー・カンファレンスの参加費
- 業界団体・研究会の年会費
- 資格の更新費用、継続教育の受講料
交際費——個人事業主に上限はありません
クライアントとの会食は交際費になります。法人には損金にできる金額の制限がありますが、個人事業主には上限がありません。ただし「事業に必要だった」と説明できることが前提です。
記録の残し方が大切で、領収書の裏や会計ソフトのメモ欄に誰と・何のためにを書いておきます。「◯◯社 山田様と次期案件の打合せ」のように具体的であるほど説明しやすくなります。人数も記録しておくと、1人あたりの金額が示せます。
打合せに伴う飲食は会議費として処理することもあります。目的が商談や打合せか、親睦かで科目が分かれます。
出張・移動
- 交通費(新幹線、航空券、タクシー)
- 宿泊費
- 出張時の日当(個人事業主本人には支給できません。法人の場合は規程を整えれば可能です)
出張のついでに観光をした場合、業務に関わる部分だけが経費になります。日程表で業務の日と私的な日を分けて記録しておくと、按分の根拠として使えます。
仕事の環境
- パソコン・タブレット・プレゼン用機材(10万円以上は減価償却)
- オンライン会議の環境(カメラ、マイク、照明、背景)
- 事務所家賃、またはコワーキングスペースの利用料
- 自宅を事務所にしている場合は家事按分した家賃・光熱費・通信費
- 名刺・ウェブサイトの制作費・維持費
- 損害賠償責任保険(業務に関するもの)
外注・協業
専門外の部分を他の専門家に依頼した費用は外注費になります。継続的に依頼する場合は、外注費か給与かの区別に注意が必要です。指揮命令の度合いや報酬の性格から総合的に判断されます。
経費にしにくいもの
- スーツ・時計・バッグ……日常でも使えるため、認められにくい支出です。
- 一人での食事……生活費とみなされるのが一般的です。
- 家族との食事……事業との関連を説明しにくく、慎重な判断が必要です。
- 健康診断・ジム……事業主本人の分は経費になりません。
- 所得税・住民税……個人事業税は経費になります。
経費より効くこともある所得控除
コンサルタントは所得が大きくなりやすいため、経費だけでなく所得控除の活用も効いてきます。小規模企業共済(年84万円まで)やiDeCo(個人事業主は年81万6,000円まで)は、掛金が全額控除の対象です。
使えていない制度がないか、数問でチェックできます。
税理士に相談すべきライン
交際費や出張費の金額が大きい、資格取得や研修への投資が高額、法人成りを検討している、売上が1,000万円を超えそう——こうした場合は税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: コンサルタントの確定申告|高所得と法人成りの分岐 / 交際費・接待はどこまで経費?
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
資格取得の費用は経費になりますか?
いまの業務に直接必要な資格の更新費用などは計上しやすい一方、新たな資格を取って業務の幅を広げるための費用は判断が分かれます。
個人事業主の交際費に上限はありますか?
ありません。法人には損金にできる金額の制限がありますが、個人事業主は事業に必要と説明できれば上限なく必要経費にできます。
出張のついでに観光した場合はどうなりますか?
業務に関わる部分だけが経費になります。日程表などで業務の日と私的な日を分けて記録しておくと説明しやすくなります。
高額なスーツは経費になりますか?
日常でも着られるため、経費として認められにくいのが一般的です。撮影用の衣装など事業でしか使わないものは扱いが異なります。
自宅を事務所にしている場合の按分は?
仕事に使う面積の割合で家賃や光熱費を按分します。根拠のある基準で計算し、毎年同じ基準を使い続けることが説明のしやすさにつながります。
クライアントへの手土産は経費になりますか?
訪問先への手土産は交際費として計上できます。相手先と目的を記録しておいてください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。