アフィリエイトと消費税|インボイスは必要か
アフィリエイト報酬にも消費税がかかります。1,000万円の判定、インボイス登録をするかどうかの考え方、簡易課税のみなし仕入率までやさしく解説します。
アフィリエイト報酬は、広告を掲載するという役務の提供の対価なので、原則として消費税の課税対象です。ここでは「自分に関係あるのか」を順番に確かめていきます。
まず1,000万円の判定
消費税を納める義務があるかどうかは、基準期間の課税売上高で決まります。個人事業主の基準期間は、原則として2年前の1年間です。
| 2年前の課税売上高 | 今年の扱い |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 原則として免税事業者(納めなくてよい) |
| 1,000万円超 | 課税事業者(申告と納税が必要) |
アフィリエイト収入だけで1,000万円を超える人は多くありませんが、他の事業と合わせて判定する点に注意してください。物販やコンサルティングもしているなら、それらを合計します。
インボイス登録は必要か
判断の軸は「取引相手が仕入税額控除を必要とするか」です。
アフィリエイトの場合、報酬を払うのはASP(広告仲介サービス)や広告主です。相手が課税事業者で、支払った報酬について仕入税額控除を受けたいのであれば、登録番号を求められることがあります。
一方で、次のような場合は登録しないという選択も現実的です。
- 報酬の条件が、登録の有無で変わらない
- 売上が小さく、納税額より事務の負担のほうが重い
- 相手から登録番号を求められていない
登録すれば有利、という制度ではありません。 報酬が増えないのに納税義務だけ増えると、手取りは減ります。契約しているサービスの案内を確認し、条件が変わるのかどうかを確かめてから決めてください。
登録によって課税事業者になった場合に、納税額がいくらになるかを試算できます。
課税事業者になったときの計算
納税額の計算には、いくつかの方法があります。
| 方法 | 計算 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 本則課税 | 売上の消費税 − 仕入の消費税 | 経費が大きい |
| 簡易課税 | 売上の消費税 × (1 − みなし仕入率) | 経費が小さい |
| 2割特例 | 売上の消費税 × 20% | 登録で課税事業者になった人 |
アフィリエイトのような広告掲載はサービス業として第5種に区分され、みなし仕入率は**50%**になるのが一般的です。サーバー代くらいしか経費がない場合、実際の仕入より50%のほうが大きくなることが多く、簡易課税が有利になりやすい形です。
さらに、免税事業者からインボイス登録によって課税事業者になった人は、一定期間2割特例を使えます。売上にかかる消費税の2割だけを納める方法で、簡易課税の50%よりさらに有利です。
売上と経費を入れると、本則・簡易・2割特例のどれが有利かがわかります。
簡易課税には届出が必要です
簡易課税を使うには、原則として使いたい年が始まる前までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しておく必要があります。あとから「やっぱり簡易課税で」とはできません。
また、いったん選ぶと原則として2年間は変更できません。売上や経費が大きく変わりそうな時期は、慎重に判断してください。
海外の会社からの広告収入
海外のサービスから広告収入を受け取っている場合、消費税の扱いは取引の相手や役務の提供先が国外かどうかで分かれます。ここは判定が難しく、金額によって影響も大きい部分です。
「国内の報酬と同じ扱い」と決めつけず、金額が大きい場合は税務署または税理士に確認してください。
売上を入れると、消費税を納める義務があるかと、なぜそう判定されるのかがわかります。
税理士に相談すべきライン
課税売上高が1,000万円に近づいたとき、インボイス登録の判断に迷うとき、海外からの収入が大きいときは、税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: アフィリエイト収入の確定申告|いつの売上に数えるか / インボイス制度の完全ガイド
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
アフィリエイト報酬に消費税はかかりますか?
広告を掲載するという役務の提供の対価なので、原則として消費税の課税対象です。報酬が税込か税別かはサービスによって扱いが異なるため、規約を確認してください。
売上が1,000万円以下なら消費税は関係ありませんか?
基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務は免除されます。ただしインボイスの登録をすると、金額にかかわらず課税事業者になります。
インボイスの登録はしたほうがよいですか?
取引相手が仕入税額控除を必要とするかどうかで判断します。登録すると納税義務が生じるため、報酬の条件が変わらないのに登録すると手取りが減ることがあります。
簡易課税のみなし仕入率は何%ですか?
広告掲載のような役務の提供はサービス業として第5種に区分され、みなし仕入率は50%になるのが一般的です。ただし取引の内容によって区分が変わることがあります。
2割特例は使えますか?
免税事業者だった人がインボイス登録によって課税事業者になった場合、一定期間は納税額を売上にかかる消費税の2割にできる特例があります。対象になるか確認してください。
海外の会社からの広告収入はどうなりますか?
取引の相手や役務の提供先が国外かどうかで扱いが分かれます。判定が難しい部分なので、金額が大きい場合は税務署や税理士に確認してください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。