ライター・編集者の開業手続きと請求書の書き方
ライターとして独立するときの届出、屋号の決め方、請求書に書くこと、入金の管理まで。源泉徴収がある仕事ならではの実務をまとめます。
ライターや編集者として独立するとき、最初につまずきやすいのが「何を届け出て、請求書に何を書くか」です。源泉徴収がある仕事なので、請求書の書き方が手取りに直接影響します。
開業のときに出す書類
この2つは同時に提出するのが一般的です。会社を辞めて独立した場合は、健康保険と年金の切り替えも必要になります。
開業届と青色申告承認申請書の記入例をつくれます。氏名やマイナンバーの入力は不要です。
屋号は必須ではありません
本名のままでも問題ありません。屋号をつけると、屋号名義の口座を開設できたり、名刺やサイトで統一感を出せたりします。開業届に記入する欄がありますが、後から変更することもできます。
請求書に書くこと
最低限、次の項目があれば実務上は足ります。
- 請求日・請求番号
- 宛先(取引先名)
- 自分の氏名または屋号、連絡先
- 業務の内容(記事タイトル、文字数、掲載媒体など)
- 報酬額と消費税額を分けて記載
- 源泉徴収税額(記載義務はありませんが、書くと行き違いが減ります)
- 差引請求額
- 振込先口座
- インボイス登録番号(登録している場合)
源泉徴収の計算を自分でも確認する
報酬10万円(税抜)+消費税1万円なら、源泉徴収は10万円×10.21%=1万210円、差引請求額は10万9,790円です。1回の支払いが100万円を超える部分は20.42%になります。
報酬額を入れると、源泉徴収税額と差引手取りがすぐわかります。
入金の管理
入金は源泉徴収後の金額で振り込まれます。請求書の控えと通帳を突き合わせ、いつ・どの案件の入金かを記録しておくと、確定申告の集計が一気に楽になります。会計ソフトに口座を連携しておけば、この作業はほぼ自動化できます。
支払調書は交付が義務づけられていないため、届かないことも珍しくありません。届かなくても、請求書の控えと入金記録があれば申告できます。
インボイス登録をするかどうか
出版社やメディアは課税事業者であることが多く、登録を求められる場面があります。登録すると消費税の申告が必要になりますが、登録を機に課税事業者になった人は2割特例で負担を抑えられることがあります。取引先の構成を見て判断してください。
税理士に相談すべきライン
売上が1,000万円に近づいた、複数の媒体と継続契約していて処理が複雑になってきた、法人化を考えている——こうした場合は税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
屋号は必ず決めないといけませんか?
必須ではありません。本名で活動しても問題ありません。屋号があると屋号名義の口座を開設しやすくなるなどの利点があります。
請求書に源泉徴収税額を書く義務はありますか?
義務はありませんが、書いておくと支払う側の処理が正確になり、入金額の行き違いを防げます。報酬額と消費税額を分けて記載することも忘れないでください。
インボイスの登録番号がないと仕事を受けられませんか?
受けられないわけではありません。取引先が一般消費者中心なら求められない場合もあります。ただし出版社やメディアは課税事業者が多く、登録を求められることがあります。
開業届を出すと会社にわかりますか?
開業届の提出が勤務先に通知される仕組みはありません。副業が知られる主な経路は住民税の通知です。
請求書は何年保存しますか?
控えは原則5年から7年の保存が必要です。メールで送ったPDFは電子データのまま保存するのが原則です。
入金が源泉徴収後の金額で合っているか確認したい。
報酬額に0.8979を掛けたおおよその金額と比べます。消費税を分けて請求しているかで変わるため、請求書の控えと突き合わせるのが確実です。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。