家庭教師・塾講師の確定申告|給与か業務委託かで変わる
同じ「先生」でも、給与をもらう働き方と業務委託では手続きがまったく違います。どちらか見分ける方法と、それぞれで必要な手続きをやさしく解説します。
家庭教師や塾講師の税金は、受け取っているお金が「給与」か「報酬」かで手続きがまったく変わります。同じように授業をしていても違うので、まずそこを確かめます。
まず支払明細を見てください
見分ける手がかりは、契約書よりも実際の支払明細です。
| 見るところ | 給与のとき | 業務委託のとき |
|---|---|---|
| 明細の表記 | 給与・賃金 | 報酬・委託料 |
| 年明けに届く書類 | 源泉徴収票 | 支払調書(届かないこともある) |
| 単価 | 時給が多い | 1コマいくらが多い |
| 進め方 | 教材や進度の指示を受ける | 自分で決める部分が大きい |
| 年末調整 | してもらえる | ない |
「アルバイト」と呼ばれていても業務委託契約のことがあり、逆に「委託」と言われていても実態は給与のことがあります。呼び名ではなく明細で判断してください。
給与としてもらっている場合
1か所だけで働いていて、年末調整をしてもらえるなら、原則として確定申告は不要です。
申告が必要になるのは、こんなときです。
- 2か所以上から給与をもらっている……年末調整は1か所でしかできません
- 給与以外の所得が20万円を超える……業務委託の報酬などがある場合
- 医療費控除やふるさと納税を使いたい……これらは申告しないと適用されません
給与の場合、教材費や交通費を自分で経費として引くことはできません。かわりに給与所得控除が自動的に差し引かれています。
業務委託としてもらっている場合
年末調整がないので、自分で確定申告します。かわりに、実際にかかった費用を必要経費として引けます。
経費にしやすいのは次のようなものです。
- 教材・参考書・問題集……授業で使うもの
- 生徒宅までの交通費……電車代・ガソリン代(私用と兼ねるなら按分)
- オンライン授業の通信費・機材……使った割合で按分
- 文房具・ホワイトボード……消耗品費
品目名を入れると、経費になるか・按分が必要か・どの科目かがわかります。
個人契約は源泉徴収されません
会社を通さず、ご家庭から直接月謝を受け取る形の家庭教師では、源泉徴収されないのがふつうです。源泉徴収をする義務があるのは、原則として法人や人を雇っている個人事業主だからです。
引かれていないということは、税金を前払いしていないということです。申告のときにまとめて納めることになるので、受け取った月謝の一部を取り分けておくと慌てずに済みます。
掛け持ちしているとき
塾で給与をもらいながら、個人契約の家庭教師もしている——という形はよくあります。この場合は両方を合わせて確定申告します。
- 塾の源泉徴収票を用意する(給与所得)
- 個人契約の月謝の合計を集計する(事業所得または雑所得)
- 個人契約のほうの経費を集計する
- 両方を申告書に記入する
いくつかの質問に答えると、あなたが今年やるべき手続きが締切つきでわかります。
税理士に相談すべきライン
個人契約が増えて売上が大きくなってきたとき、事業所得か雑所得かの判断に迷うとき、開業届を出すか迷っているときは、税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
塾でアルバイトしています。確定申告は必要ですか?
給与として受け取っていて、その塾1か所だけなら年末調整で完了するのが一般的です。掛け持ちしている場合や、給与以外の収入がある場合は確定申告が必要になることがあります。
給与か業務委託かはどう見分けますか?
支払明細の表記(給与か報酬か)、源泉徴収票が出るか、時給か1コマいくらか、勤務時間や進め方の指示を受けるかで判断します。契約書と実態が食い違うこともあるため、勤務先に確認しましょう。
業務委託だと何が変わりますか?
年末調整がないため自分で確定申告します。かわりに実際にかかった費用を経費として引けます。給与所得控除は使えません。
個人契約の家庭教師はどうなりますか?
ご家庭から直接受け取る月謝は源泉徴収されないのがふつうです。引かれていなくても収入として申告する必要があります。
教材費や交通費は経費になりますか?
業務委託で働いている場合、授業のために買った教材や、生徒宅への交通費は経費になります。給与としてもらっている場合は、これらを経費として引くことはできません。
掛け持ちしていて給与と報酬の両方があります。
両方を合わせて確定申告します。給与の源泉徴収票と、報酬の支払明細の両方を使って計算してください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。