イラストの報酬|原稿料と二次使用料の違い
一度描いたイラストが、あとからグッズや広告に使われて追加の報酬が入ることがあります。原稿料との違いと、契約で確かめておきたいことをやさしく解説します。
イラストの仕事では、同じ絵で2回お金が入ることがあります。最初に描いたときの原稿料と、あとからその絵が別の用途で使われたときの二次使用料です。
2つの報酬の違い
| 原稿料 | 二次使用料 | |
|---|---|---|
| 何に対する対価か | 描く作業 | 描いたものを使うこと |
| 支払われるタイミング | 納品後 | 使われるたび |
| 金額の決まり方 | 単価・点数 | 使用範囲・期間・媒体 |
| 源泉徴収 | 対象 | 著作権の使用料として対象 |
どちらも収入として申告する点は同じです。違うのは発生のしかたで、これは契約の内容で決まります。
契約でいちばん大事なところ
仕事を受けるときに確認しておきたいのは、次の点です。
- 著作権を譲渡するのか、使用を許諾するのか
- 使える範囲(媒体・地域・期間)
- 範囲を超えて使うときの追加の条件
著作権を譲渡する契約だと、以後その作品がどう使われても追加の使用料は発生しないのが一般的です。買い切りの金額でよいのかを、契約前に判断する必要があります。
一方、使用を許諾する契約なら、範囲を超えた使い方には別途の合意が必要です。あとからグッズ化や広告への転用が決まったときに、二次使用料の話ができます。
いつの収入に数えるか
原則として、金額が確定した時点の収入です。振り込まれた日ではありません。
二次使用料は、使われてからしばらく経って連絡が来ることがあります。12月に金額が確定して翌年2月に振込という場合、前の年の収入として集計します。
| 確定した月 | 振り込まれた月 | どの年の収入か |
|---|---|---|
| 12月 | 翌年2月 | その年(12月の年) |
| 翌年1月 | 翌年3月 | 翌年 |
引かれた税金は精算します
原稿料も著作権の使用料も源泉徴収の対象です。1回の支払額が100万円以下なら10.21%、100万円を超える部分は**20.42%**が引かれます。
これは税金の前払いです。画材・ソフト・機材といった経費を反映していないため、経費が多い人ほど前払いが多すぎる状態になり、確定申告をすると差額が戻ることがあります。
報酬額を入れると、引かれる税額と手取りがその場でわかります。
海外の会社からの報酬
日本の源泉徴収は、日本国内で報酬を支払う者に課される義務です。海外の会社にその義務はないため、引かれずに満額が振り込まれるのがふつうです。
引かれていないということは、税金の前払いをしていないということです。申告のときにまとめて納めることになるので、受け取った報酬の一部を取り分けておくと慌てずに済みます。
税理士に相談すべきライン
二次使用料の金額が大きいとき、著作権の譲渡を含む契約の条件に迷うとき、海外からの収入が増えてきたときは、税理士に相談すると安心です。契約そのものの内容については、弁護士に相談するという選択もあります。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
原稿料と二次使用料は何が違いますか?
原稿料は描く作業に対する対価、二次使用料は描いたものを別の用途で使うことに対する対価です。どちらも収入として申告しますが、契約で扱いが分かれます。
二次使用料からも税金は引かれますか?
著作権の使用料は源泉徴収の対象とされています。支払明細で引かれているかを確認し、引かれていれば確定申告で精算します。
著作権を譲渡する契約だと何が変わりますか?
譲渡すると、以後その作品が使われても追加の使用料は発生しないのが一般的です。買い切りの金額に納得できるか、契約前に確認してください。
二次使用料はいつの収入になりますか?
原則として、金額が確定した時点の収入です。振り込まれた日ではありません。年をまたぐ場合はとくに注意してください。
海外の会社から報酬を受け取る場合はどうなりますか?
日本の源泉徴収は日本国内で支払う者に課される義務なので、海外の会社に義務はありません。引かれていない分も収入として申告します。
契約書がない仕事はどうすればよいですか?
発注時のメールやメッセージが契約の内容を示す資料になります。使用範囲と金額のやりとりは残しておいてください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。