講師・インストラクターの確定申告|講演料の源泉徴収と経費
セミナー講師・ヨガ/ピアノなどの教室運営の確定申告を解説。講演料から源泉徴収される場合とされない場合、生徒から直接もらう月謝との違い、経費と教室の家賃まで。
講師・インストラクターの収入は、誰から受け取るかで税金の扱いが変わります。ここを押さえると確定申告がぐっと分かりやすくなります。
収入の入り方は大きく2つ
| 収入の種類 | 源泉徴収 | 例 |
|---|---|---|
| 企業・団体からの講演料・講師料 | される(10.21%) | 企業研修、自治体のセミナー、学校での講演 |
| 生徒からの月謝・レッスン料 | されない | 自宅教室、個人レッスン、オンライン講座 |
企業や団体が個人に支払う講演料は源泉徴収の対象とされているため、先に税金が引かれた金額が振り込まれます。一方、生徒から直接受け取る月謝は源泉徴収されないので、そのぶん確定申告で自分で納めます。
源泉徴収された分は精算できます
源泉徴収は「とりあえず一定率で先に引いておく」しくみです。必要経費や所得控除を差し引いた本来の税額より多く引かれていることがよくあり、その差額は確定申告で戻ってきます。
- 税率は10.21%(100万円を超える部分は20.42%)
- 請求書で本体価格と消費税を分けて記載していれば、源泉徴収の対象は税抜の本体価格だけで構いません
報酬額を入れると、源泉徴収税額と手取りをその場で計算します。
カルチャースクールなどとの契約
教室やスクールに所属している場合、契約が業務委託か雇用かで扱いが変わります。
- 業務委託……事業所得。自分で確定申告し、内容によっては源泉徴収されます
- 雇用……給与所得。スクール側が年末調整をします
「報酬」と書かれていても実態が雇用に近い場合があります。契約書と支払明細を確認し、支払われているのが給与か報酬かをはっきりさせておきましょう。両方ある場合は、給与所得と事業所得を合わせて申告します。
講師の経費
- 教材費・資料の印刷代……レジュメ、テキスト、配布物
- 新聞図書費……専門書、講座づくりのための書籍
- 研修費……業務に必要な講習、指導者向けセミナー
- 諸会費……協会・団体の年会費、資格の更新料
- 地代家賃……教室の家賃、スタジオやレンタルスペースの利用料
- 旅費交通費……出張講義の移動費、宿泊費
- 通信費・消耗品費……オンライン配信の回線、マイク・照明・カメラ
- 広告宣伝費……集客のためのチラシ、ウェブ広告
資格の更新料・衣装・機材など、迷いやすい支出を品目名で検索できます。
資格の費用は「取る」か「維持する」かで分かれる
新しい資格を取る費用は、その資格が個人に帰属するため家事費とされやすく、判断が分かれます。一方、すでに持っている資格を維持するための更新料や年会費は、業務に必要なものとして経費にしやすい費用です。
指導者資格の更新講習のように「これがないと仕事を続けられない」と説明できるものは、経費として整理しやすくなります。
自宅で教室を開いている場合
レッスンに使っている部屋の面積や時間の割合で家事按分します。防音工事やレッスン用の設備を入れた場合、10万円以上のものは減価償却の対象です。
ピアノや楽器、トレーニング機器など、レッスンに使う道具も同じ考え方です。私用と兼ねている場合は按分します。
消費税とインボイス
基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円以下なら原則として免税事業者です。生徒が一般の個人であればインボイスの登録を求められる場面は多くありませんが、企業研修や自治体の仕事が多い場合は登録番号を求められることがあります。
なお、学校教育法に定める学校の授業料など一部の役務は非課税とされていますが、一般のカルチャー教室やスポーツ教室は課税対象になるのが通常です。
税理士に相談すべきライン
給与と報酬の両方がある場合、教室を法人化するか迷う場合、生徒数が増えて売上が1,000万円に近づいた場合は、税理士に相談して方針を決めておくと安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
講演料から税金が引かれているのはなぜですか?
企業や団体が個人に支払う講演料は、源泉徴収の対象とされているためです。10.21%(100万円を超える部分は20.42%)が先に引かれ、確定申告で精算します。引かれすぎていれば還付されます。
生徒からもらう月謝も源泉徴収されますか?
されません。源泉徴収は企業などの支払者が行うもので、個人の生徒から直接受け取る月謝は対象外です。そのぶん、確定申告で自分で税額を計算して納めます。
カルチャースクールから受け取る報酬はどうなりますか?
契約が業務委託なら事業所得で、内容によっては源泉徴収されます。雇用契約であれば給与所得となり、年末調整の対象です。契約書や支払明細で、給与か報酬かを確認しましょう。
講師の経費には何がありますか?
教材費・資料の印刷代・書籍代・研修や資格の更新費用・会場費・交通費・オンライン配信の機材や通信費などです。教室を借りていれば家賃も経費になります。
資格を新しく取る費用は経費になりますか?
新しい資格の取得は個人に帰属するため家事費とされやすく、判断が分かれます。一方、すでに持っている資格を維持するための更新料や年会費は経費にしやすい費用です。
自宅で教室を開いている場合の家賃はどうなりますか?
教室として使っている面積や時間の割合で家事按分します。レッスンに使う部屋の面積で按分するのが分かりやすい方法です。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。