配達員の経費と按分——自転車・バイク・ガソリン・スマホ
フードデリバリーや軽貨物の配達で、何がどこまで経費になるかを具体的に整理。稼働記録を使った按分のしかたと、確定申告での集計方法まで解説します。
配達の仕事は、使うものの多くがプライベートと兼用になります。「どこまで経費にできるか」は、按分の根拠を説明できるかで決まります。
まず売上の考え方
プラットフォームから振り込まれる金額は、手数料が差し引かれたあとの金額です。売上として計上するのは手数料を引く前の金額で、差し引かれた手数料は必要経費になります。
管理画面から年間のレポートを出力できるサービスが多いので、売上・手数料・インセンティブの内訳がわかる形で保存しておいてください。
全額を経費にできるもの
配達でしか使わないものは、按分の必要がありません。
- 配達バッグ・保温ボックス
- 配達用のレインウェア・ヘルメット(配達専用のもの)
- スマートフォンホルダー・モバイルバッテリー
- 自転車の整備用品・パンク修理キット
- 配達員向けの保険料(業務中の事故に備えるもの)
- 軽貨物の場合の黒ナンバー取得費用、車両の整備費
按分が必要なもの
プライベートでも使うものは、事業で使う割合だけを計上します。
- 自転車・バイク……配達に使う割合で按分します。
- ガソリン代・電気代(充電)……走行距離の割合が説明しやすい基準です。
- スマートフォン代・通信費……稼働時間の割合、または配達専用の回線を分ける方法もあります。
- 自動車税・自賠責・任意保険・車検……車両の按分割合に合わせます。
- 駐車場代……配達に使う時間の割合で按分します。
車両は金額で処理が変わります
- 10万円未満……買った年に全額経費。
- 10万円以上……原則減価償却。自転車の法定耐用年数は2年、原動機付自転車は3年、軽自動車は4年が目安です。
- 30万円未満……青色申告をしている中小事業者は、年間300万円まで買った年に全額計上できます。
電動アシスト自転車は10万円を超えることが多いため、この判定が実際に効いてきます。
取得価額と耐用年数を入れると、少額特例の判定と償却スケジュールがわかります。
経費にならないもの
- 駐車違反や交通違反の反則金・罰金
- 配達中に自分が食べた食事(生活費とみなされます)
- 私用でしか使わない衣類
- 所得税・住民税(個人事業税は経費になります)
- 国民健康保険料・国民年金保険料(所得控除の対象です)
記録の残し方
配達の仕事は少額の支出が積み重なります。まとめておくコツは3つです。
- 事業用の口座とカードを分ける……会計ソフトに連携すれば明細が自動で取り込まれます。
- レシートはその場で撮影……感熱紙は時間が経つと消えるため、早めに画像で残します。
- 稼働記録を月ごとに保存……按分の根拠になります。
税理士に相談すべきライン
軽貨物で車両を購入した、複数の車両や人を使うようになった、売上が1,000万円に近づいた——こうした場合は税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
電動アシスト自転車は一度に経費にできますか?
10万円未満なら買った年に全額です。10万円以上は減価償却になりますが、青色申告をしている中小事業者は30万円未満を年間300万円まで全額計上できます。
ガソリン代はどう按分しますか?
配達で走った距離の割合で按分するのが説明しやすい方法です。配達アプリに残る走行距離や稼働時間の記録を根拠として保管しておいてください。
スマホ代は全額経費になりますか?
プライベートでも使うなら按分が必要です。稼働時間の割合や、配達専用の回線を分けるといった方法があります。
駐車違反の反則金は経費になりますか?
なりません。罰金や反則金は経費に計上できない支出です。
複数のサービスを掛け持ちしています。
まとめて1つの事業所得として計算します。それぞれの管理画面から年間の売上を出力し、合計して申告します。
確定申告はいつすればいいですか?
原則として翌年の2月16日から3月15日までです。会社員の副業なら、給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要になります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。