整体・サロンの開業と経費|設備と自宅の使い方
施術ベッドや内装工事は金額によって処理が変わります。自宅の一部をサロンにする場合の按分、開業前にかかった費用の扱いまでやさしく解説します。
サロンや治療院を開くときは、最初にまとまった支出が発生します。ここをどう処理するかで、初年度の税金がかなり変わります。
設備は金額で処理が分かれます
施術ベッド、機器、待合の家具などは、1つあたりいくらかで処理が変わります。
| 取得価額 | 処理 |
|---|---|
| 10万円未満 | その年に全額を経費(消耗品費など) |
| 10万円以上 20万円未満 | 3年で均等に分ける方法も選べる |
| 30万円未満 | 青色申告なら全額を経費にできる特例(年間300万円まで) |
| 30万円以上 | 減価償却で耐用年数にわたって分ける |
30万円未満の特例は青色申告をしている人だけが使えます。開業初年度は設備の支出が集中するため、開業と同時に青色申告の承認申請を出しておく価値が大きい部分です。
金額と耐用年数を入れると、少額特例の判定と毎年の償却額がわかります。
内装工事は資産になります
間仕切り、電気工事、給排水、床の張り替えといった内装工事は、金額が大きくなりやすく、その年の経費にはできないのが原則です。建物附属設備などの資産として、耐用年数にわたって少しずつ費用にしていきます。
工事の請求書は「一式」ではなく、内訳がわかる形でもらっておくと処理が楽になります。工事の内容によって耐用年数が変わるためです。
借りるときの費用
テナントを借りる場合の初期費用は、次のように分かれます。
| 費目 | 扱い |
|---|---|
| 敷金・保証金(返ってくる分) | 経費にならない(資産) |
| 礼金 | 原則として繰延資産として一定期間で費用に |
| 仲介手数料 | 支払った年の経費 |
| 前家賃 | その期間の経費 |
自宅の一部をサロンにする場合
自宅サロンでは、家賃・水道光熱費を家事按分して経費にします。
按分の基準は面積がいちばん説明しやすい方法です。「50平方メートルのうち施術室10平方メートル=20%」のように計算します。お客さまが通る玄関や廊下、待合として使う部分を含めるかどうかは、実態に合わせて決めてください。
- 家賃……面積の割合で按分
- 水道光熱費……面積の割合、または使用実態で按分
- 通信費……予約の連絡に使う割合で按分
施術用の設備は自宅サロンでも専用に使うものなら全額が経費です。按分が必要なのは、私生活と共用しているものだけです。
品目名を入れると、経費になるか・按分が必要か・どの科目かがわかります。
開業前にかかった費用も経費にできます
開業日より前に払った、開業のための費用は開業費としてまとめて計上できます。
- 開業前に買った施術用具・備品(10万円未満のもの)
- 開業前の研修・技術講習の費用
- チラシ・名刺・ホームページの制作費
- 物件を探すための交通費
開業費は繰延資産として扱われ、好きな年に好きな額を費用にできます。赤字の年は使わず、黒字が大きくなった年にまとめて費用にする、という使い方ができます。開業前の領収書も捨てずに保管してください。
税理士に相談すべきライン
内装工事の金額が大きいとき、テナントを借りて設備投資をするとき、消費税の課税事業者になりそうなときは、税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: 整体・リラクゼーションの消費税|課税になるもの・ならないもの / 開業のチェックリスト
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
施術ベッドは一括で経費にできますか?
取得価額が10万円未満ならその年に全額を経費にできます。10万円以上は原則として減価償却になりますが、青色申告なら30万円未満まで一括で経費にできる特例があります。
内装工事の費用はどう処理しますか?
建物附属設備などの資産として、耐用年数にわたって減価償却するのが原則です。金額が大きくなりやすいので、工事の内訳がわかる書類を保管してください。
賃貸物件を借りるときの敷金・礼金は?
返ってくる敷金は資産として扱い、経費にはなりません。礼金は原則として繰延資産として一定期間で費用にしていきます。仲介手数料は支払った年の経費にできます。
自宅の一部をサロンにしています。家賃は経費になりますか?
事業に使っている割合で按分して経費にできます。専用の部屋がある場合は面積の割合で計算すると説明しやすくなります。
開業前に買ったものは経費になりますか?
開業のためにかかった費用は開業費として計上し、任意の年に費用にできます。開業前の領収書も捨てずに保管してください。
施術に使うオイルやタオルは?
施術で消費するオイル・クリーム・タオル・使い捨てシートは消耗品費になります。年末に大量に残っている場合は、棚卸として資産に計上することがあります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。