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物販・せどりの消費税——課税事業者になるタイミングと簡易課税

物販は仕入が多いぶん、消費税の計算方法で納税額が大きく変わります。1,000万円の判定、簡易課税の第2種と第1種、インボイス登録の考え方を整理します。

税金AI 編集部 公開 2026年8月3日更新 2026年9月5日

物販は売上が伸びやすい反面、仕入も大きくなります。消費税は「計算方法の選び方」で納税額が変わるため、早めに全体像をつかんでおくと安心です。

いつから納税が始まるのか

基準期間(個人事業主は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えると、原則としてその年から課税事業者になります。

つまり、売上が1,000万円を超えた年にすぐ納税が始まるのではなく、その2年後からです。この間に納税資金を準備しておくと慌てずに済みます。なおインボイスの登録をした場合は、売上の規模にかかわらず課税事業者になります。

計算方法は3つ

本則課税

預かった消費税から、仕入や経費で支払った消費税を差し引いて納めます。仕入が多い物販では有利になりやすい方法です。ただし、仕入先ごとにインボイスの保存が必要で、事務の手間はかかります。

簡易課税

基準期間の課税売上高が5,000万円以下なら選べます。実際の仕入額ではなく、業種ごとのみなし仕入率で計算します。

  • 第1種(卸売業)……仕入れたものをそのまま事業者に売る場合。みなし仕入率90%
  • 第2種(小売業)……仕入れたものをそのまま消費者に売る場合。80%
  • 第3種(製造業など)……手を加えて売る場合。70%

せどり・物販の多くは第2種(80%)です。実際の仕入率が80%より低ければ簡易課税が有利、高ければ本則課税が有利になります。

2割特例

免税事業者からインボイス登録を機に課税事業者になった人は、売上にかかる消費税の2割を納めればよい特例が使えます。令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日が属する各課税期間が対象です。個人事業主なら令和8年分(2026年分)が最後で、令和9年分と令和10年分は売上にかかる消費税の3割を納めればよい特例(令和8年度税制改正で新設)が使えます。

無料・比較
簡易課税 vs 本則課税 シミュレータ

売上と仕入、事業区分を入れると、3つの方法の納税額を並べて比較します。

簡易課税を選ぶときの注意

  • 適用したい課税期間が始まる前日までに「簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。
  • いったん選ぶと原則2年間は変更できません
  • 大量の仕入れや設備投資を予定している年は、本則課税なら還付を受けられた場合でも簡易課税では受けられません。
仕入率が高い物販は要注意
簡易課税の第2種はみなし仕入率80%です。実際の仕入率が85%や90%になる薄利多売の物販では、本則課税のほうが納税額が小さくなることがあります。数字で比べてから決めてください。

インボイス登録の判断

販売先によって考え方が変わります。

  • 事業者向けに販売している(卸売、法人相手)……登録を求められることが多くなります。
  • 一般消費者向け(フリマアプリ、ネットショップ)……インボイスを求められる場面は多くありません。登録しない選択もあります。

中古品を扱う場合

古物商の許可を受けた事業者が、消費者(インボイスを発行できない相手)から中古品を買い取る場合、一定の要件のもとでインボイスの保存がなくても仕入税額控除ができる特例があります。中古品を扱うせどりでは押さえておきたい制度です。

なお、中古品を仕入れて売るには古物商の許可が必要です(税務とは別の制度ですが、無許可営業には罰則があります)。

無料・数問
消費税の課税事業者判定

売上を入れると、消費税を納める義務があるかと、なぜそう判定されるのかがわかります。

無料・入力2つ
インボイス経過措置 計算機

インボイスを出せない相手に払ったとき、消費税をいくら差し引けて、いくらが自分の負担になるかがわかります。

税理士に相談すべきライン

売上が1,000万円に近づいた、簡易課税と本則課税の選択で迷っている、複数の事業区分にまたがる商品を扱っている、大きな設備投資を予定している——こうした場合は税理士に相談すると安心です。届出の期限を過ぎると1年待つことになるため、早めの確認をおすすめします。

あわせて読みたい: せどり・物販の確定申告と在庫の扱いインボイス制度 まるわかりガイド

参考にした一次情報(出典)

本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。

よくある質問

いつから消費税を納めることになりますか?

基準期間(個人事業主は2年前)の課税売上高が1,000万円を超えると、原則としてその年から課税事業者になります。売上が伸びた年の2年後に納税が始まる形です。

簡易課税の事業区分はどれになりますか?

仕入れたものをそのまま消費者に売る場合は第2種(小売業・みなし仕入率80%)、事業者に売る場合は第1種(卸売業・90%)が目安です。手を加えて売る場合は第3種になることもあります。

簡易課税と本則課税はどちらが有利ですか?

実際の仕入率がみなし仕入率より低ければ簡易課税が有利です。物販は仕入率が高いことが多く、本則課税が有利になる場合もあります。シミュレータで比べてみてください。

インボイスの登録はしたほうがいいですか?

販売先が事業者中心なら求められることが多く、一般消費者中心なら求められる場面は多くありません。フリマアプリでの個人向け販売が中心なら、登録しない選択もあります。

簡易課税はいつまでに届出が必要ですか?

適用したい課税期間が始まる前日までです。いったん選ぶと原則2年間は変更できないため、大きな仕入れの予定がある年は慎重に判断してください。

中古品を仕入れる場合の特例はありますか?

古物商の許可を受けた事業者が消費者から中古品を買い取る場合、一定の要件のもとでインボイスがなくても仕入税額控除ができる特例があります。

執筆税金AI 編集部編集部

個人事業主・法人の税務を、AIと無料ツールでやさしく。出典と更新日を明記し、税理士監修を進めています。

本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。

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