介護サービスの消費税|非課税になるもの・ならないもの
介護保険の対象となるサービスは消費税が非課税です。一方、保険外の自費サービスや物販は課税。非課税売上があると仕入税額控除が制限される点まで、区分を軸にやさしく解説します。
介護の仕事の消費税は、非課税という他の業種にない大きな特徴があります。ここを押さえると、申告のときに迷いません。
介護保険のサービスは非課税
介護保険法にもとづく居宅サービス・施設サービスは、消費税が非課税とされています。訪問介護、通所介護、ケアプランの作成などが該当します。
利用者が負担する1割・2割・3割の自己負担分も、サービス自体が非課税なので消費税はかかりません。
課税になるもの
一方、次のようなものは課税取引になるのが一般的です。
| 消費税 | |
|---|---|
| 介護保険の給付対象となるサービス | 非課税 |
| 保険外(自費)の家事代行・付き添い | 課税 |
| 制度の範囲を超える上乗せサービス | 課税 |
| 日用品・おむつなどの物販 | 課税 |
| 給付対象でない市販の福祉用具の販売 | 課税 |
福祉用具は、介護保険の給付対象となる貸与や特定の販売は非課税とされますが、給付対象でない市販品は課税です。品目や給付の対象かどうかで扱いが分かれるため、迷う場合は確認しましょう。
1,000万円の判定に入るのは課税売上だけ
ここが介護の大きな特徴です。課税事業者になるかどうかの判定に使うのは課税売上高なので、非課税の介護報酬は含まれません。
介護保険の収入が大きくても、保険外サービスや物販の売上が1,000万円以下であれば免税事業者のまま、ということが起こります。
非課税売上があると控除が制限される
課税事業者になって本則課税で計算する場合、非課税売上に対応する仕入の消費税は控除できません。
課税売上の割合が下がるほど控除できる金額が減るため、介護事業所は仕入税額控除の計算が複雑になりがちです。計算方法の選択によって納税額が変わることもあるため、この段階まで来たら税理士に相談するのが確実です。
インボイスの登録
介護保険のサービスは非課税なので、利用者にインボイスを求められる場面はほとんどありません。一方、法人向けに研修や保険外サービスを提供している場合は、登録番号を求められることがあります。
課税売上と経費を入れると、本則・簡易・2割特例のどれが有利かがわかります。
税理士に相談すべきライン
保険外サービスや物販を本格的に始めるとき、課税売上が1,000万円に近づいたとき、本則課税で仕入税額控除の計算が必要になったときは、税理士に相談してください。非課税売上がある事業所の消費税は、独力で正確に計算するのが難しい領域です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
介護サービスに消費税はかかりますか?
介護保険法にもとづく居宅サービスや施設サービスは、消費税が非課税とされています。利用者が負担する1割・2割・3割の自己負担分も、サービス自体が非課税なので消費税はかかりません。
保険外の自費サービスも非課税ですか?
課税になるのが一般的です。介護保険の給付対象でない家事代行や、制度の範囲を超える付き添いなどは課税取引として扱われます。
売上が1,000万円を超えたら消費税を納めますか?
判定に入るのは課税売上だけです。非課税の介護報酬は含まれないため、介護保険の収入が大きくても課税事業者にならないことがあります。保険外サービスや物販の売上で判定します。
非課税売上があると何か不利になりますか?
本則課税では、非課税売上に対応する仕入の消費税を控除できません。課税売上の割合が下がるほど控除できる金額が減るため、計算が複雑になります。
福祉用具はどうなりますか?
介護保険の給付対象となる貸与や特定の販売は非課税とされますが、給付対象でない市販品の販売は課税です。品目や給付の対象かどうかで扱いが分かれます。
訪問時の交通費は売上になりますか?
利用者から実費として受け取る場合、その扱いは契約や制度上の位置づけによって変わります。介護報酬に含まれるものか、別途受け取るものかで区分が異なるため、指定基準や自治体の案内を確認してください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。