民泊の消費税|住宅の貸付けと違って課税になる
住宅の貸付けは消費税が非課税ですが、民泊は宿泊サービスなので課税取引です。1,000万円の判定、簡易課税の第5種、インボイスの必要性まで、大家さんとの違いを軸に解説します。
民泊の消費税で最初に押さえるべきは、通常の賃貸とは扱いが正反対という点です。
住宅の貸付けは非課税、民泊は課税
住宅の貸付け(アパートやマンションを人に住んでもらう)は、消費税が非課税とされています。一方、民泊は宿泊サービスの提供にあたるため、課税取引です。
| 通常の賃貸 | 民泊 | |
|---|---|---|
| 消費税 | 非課税 | 課税 |
| 理由 | 住宅の貸付け | 宿泊サービスの提供 |
| 1,000万円の判定 | 対象外(非課税売上のため) | 対象になる |
大家さんは家賃収入がいくら大きくても消費税の課税事業者にはなりませんが、民泊は課税売上として1,000万円の判定に入ります。ここを勘違いすると、気づかないうちに申告漏れになりかねません。
課税事業者になるタイミング
基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円を超えると課税事業者になります。「超えた年からすぐ」ではなく2年後からが原則です。
ただしインボイスの登録をすると、売上の大きさにかかわらず登録時から課税事業者になります。
簡易課税は第5種
簡易課税を選ぶ場合、宿泊業はサービス業として**第5種(みなし仕入率50%)**に区分されるのが一般的です。
朝食を提供している、売店で物を売っているなど、宿泊以外のサービスを併せて提供している場合は、その部分が別の区分になることがあります。区分に迷う場合は税理士にご確認ください。
売上と仕入を入れると、本則・簡易・2割特例の納税額を比べられます。
海外のゲストでも課税されます
「外国から来た人に泊まってもらったのだから輸出免税では?」と思われることがありますが、国内にある物件に泊まってもらうサービスなので国内取引として課税されます。輸出免税にはなりません。
インボイスの登録はしたほうがよいか
売り先で考えるのが分かりやすい目安です。
- 一般の個人ゲストが中心……相手は仕入税額控除をしないため、登録の必要性は低め
- 法人の出張利用が多い……経費精算のために登録番号を求められることがある
登録を機に課税事業者になった場合は、納税額を売上の消費税の2割にできる2割特例が使えることがあります。
対象かどうかと、納税額の目安を数問で確認できます。
宿泊税は消費税とは別
一部の自治体では、宿泊者から宿泊税を預かって納める制度があります。これは消費税とは別の税で、預かって納めるものなので売上にはなりません。対象地域かどうかは自治体の案内で確認してください。
税理士に相談すべきライン
賃貸と民泊を両方やっていて売上の区分が必要なとき、大きな改装を予定していて簡易課税と本則課税を選ぶとき、複数物件で売上が1,000万円に近づいたときは、税理士に相談して方針を決めておくと安心です。
あわせて読みたい: 民泊の確定申告|不動産所得ではなく雑所得になる理由 / インボイス制度 まるわかりガイド
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
民泊の売上に消費税はかかりますか?
かかります。住宅の貸付けは消費税が非課税ですが、民泊は宿泊サービスの提供にあたるため課税取引です。この点が通常の賃貸と大きく違います。
いつから消費税を納めますか?
基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円を超えると課税事業者になります。超えた年からすぐではなく2年後からが原則です。インボイスの登録をした場合は登録時から課税事業者です。
民泊の簡易課税は何種ですか?
宿泊業はサービス業として第5種(みなし仕入率50%)に区分されるのが一般的です。物販や飲食を併せて提供している場合は、その部分が別の区分になることがあります。
インボイスの登録は必要ですか?
ゲストが一般の個人であれば求められる場面は多くありません。一方、出張利用の法人が多い場合は登録番号を求められることがあります。売り先の顔ぶれで判断しましょう。
海外のゲストが泊まった場合も消費税がかかりますか?
かかります。国内にある物件に泊まってもらうサービスなので、ゲストが海外の方でも国内取引として課税されます。輸出免税にはなりません。
賃貸と民泊を両方やっている場合はどうなりますか?
賃貸部分は非課税売上、民泊部分は課税売上になります。売上を分けて記録する必要があり、本則課税では仕入税額控除の計算にも影響します。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。