ネットショップの消費税|手数料・越境EC・プラットフォーム課税
ネットショップの消費税をやさしく解説。プラットフォーム手数料の仕入税額控除、食品を売る場合の軽減税率8%、海外向け販売の輸出免税、インボイス登録の判断まで。
ネットショップの消費税は、手数料・扱う商品・売り先の3つで変わります。順に整理します。
簡易課税は「何を売るか」ではなく「どう売るか」で決まる
簡易課税を選ぶ場合、みなし仕入率は事業の内容で決まります。
| 区分 | みなし仕入率 | 対象 |
|---|---|---|
| 第2種 | 80% | 仕入れた商品をそのまま売る(小売) |
| 第3種 | 70% | 自分で製造・加工したものを売る |
仕入れた雑貨をそのまま売るなら第2種、ハンドメイド作品や自家焙煎コーヒーのように自分で作ったものを売るなら第3種です。食品かどうかで決まるわけではない点に注意してください。
売上と仕入を入れると納税額を比較できます。軽減税率8%の売上・仕入も分けて入力できます。
食品を売る場合は軽減税率8%
人の飲用・食用に供される食品の販売は**軽減税率8%**です。ただし次のものは10%になります。
- 酒類……飲食料品から除かれます
- 食器・雑貨・日用品……食品以外
- 保冷剤や包装のうち、別途料金を取るもの
食品と雑貨の両方を扱う店では、売上も仕入も税率ごとに分けて記録する必要があります。会計ソフトの税区分を商品ごとに設定しておきましょう。
海外のお客さんに売った場合
日本から海外へ商品を送る販売は、輸出免税として消費税がかからない扱いになります。売上に消費税を乗せない代わりに、仕入で払った消費税は本則課税なら控除できます。
ただし輸出したことを証明する書類の保存が要件になります。発送伝票や税関の書類、プラットフォームの取引記録を残しておきましょう。
プラットフォーム手数料の扱い
国内の事業者に払う販売手数料・決済手数料は、本則課税なら仕入税額控除の対象です。控除を受けるには適格請求書などの保存が必要なので、プラットフォームが発行する明細に登録番号が記載されているかを確認しましょう。
海外のプラットフォームへの支払いは扱いが異なる場合があります。請求書の記載や、プラットフォーム側の案内を確認してください。
課税事業者になるタイミング
基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円を超えると課税事業者になります。「超えた年からすぐ」ではなく2年後からが原則です。
ただしインボイスの登録をすると、売上の大きさにかかわらず登録時から課税事業者になります。登録を機に課税事業者になった場合は、納税額を売上の消費税の2割にできる2割特例が使えることがあります。
対象かどうかと、納税額の目安を数問で確認できます。
登録するかの判断
売り先で考えるのが分かりやすい目安です。
- 一般の消費者が中心……相手は仕入税額控除をしないため、登録の必要性は低め
- 法人や個人事業主への販売が多い……相手から登録番号を求められることがある
- 卸売もしている……取引先の要望を確認しておく
税理士に相談すべきライン
越境ECを本格的に始めるとき、食品と雑貨が混ざって税率の区分が複雑になったとき、複数のプラットフォームで販売して精算書の突合が難しくなったときは、税理士に相談して記帳の型を決めておくと安心です。
あわせて読みたい: ネットショップの確定申告|売上計上・手数料・在庫 / インボイス制度 まるわかりガイド
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
ネットショップの簡易課税は何種ですか?
仕入れた商品をそのまま売る小売なら第2種(みなし仕入率80%)です。自分で製造・加工したものを売る場合は第3種(70%)になります。飲食料品かどうかではなく、事業の内容で区分します。
食品をネットで売る場合の税率は?
人の飲用・食用に供される食品の販売は軽減税率8%です。ただし酒類は10%、食品以外の雑貨も10%なので、扱う商品が混ざる場合は税率ごとに分けて記録します。
海外のお客さんに売った場合はどうなりますか?
日本から海外へ商品を送る販売は輸出免税として消費税がかからない扱いになります。証明する書類の保存が要件になるため、発送記録や輸出の証明を残しておきましょう。
プラットフォームの手数料にかかる消費税は差し引けますか?
本則課税なら、国内の事業者に払う手数料の消費税は仕入税額控除の対象です。ただし海外のプラットフォームへの支払いは扱いが異なる場合があるため、請求書の記載を確認してください。
売上が1,000万円を超えたらすぐ消費税を納めますか?
すぐではありません。基準期間(2年前)の課税売上で判定するため、超えた年の2年後から課税事業者になるのが原則です。ただしインボイス登録をしている場合は登録時から課税事業者です。
インボイスの登録はしたほうがよいですか?
売り先によります。一般の消費者が中心なら影響は小さく、法人や個人事業主への販売が多い場合は求められることがあります。登録を機に課税事業者になった場合は2割特例が使えることがあります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。