ネットショップの確定申告|売上の計上時期・手数料・在庫
自分の商品をネットで売る人の確定申告を解説。売上をいつ計上するか、プラットフォーム手数料や送料の扱い、在庫の棚卸、返品やポイント負担まで、モールと自社ECの違いも含めて。
自分の商品をネットで売る場合、確定申告でつまずきやすいのは売上をいつ・いくらで計上するかです。プラットフォームからの入金額をそのまま売上にしてしまう間違いが多いので、順に整理します。
売上は「入金日」ではなく「確定した日」
売上を計上するのは、お金が振り込まれた日ではなく収入が確定した日です。物販では一般に、商品を発送して相手に引き渡した時点で考えます。
ネットショップは「12月に注文と発送 → 翌1月にプラットフォームから入金」という流れになりやすいため、入金日で記帳すると年をまたいでズレます。12月に発送した分はその年の売上です。
手数料は引く前の金額を売上にする
これがいちばん多い間違いです。プラットフォームからの入金は、販売手数料や決済手数料が差し引かれた手取りです。
- 売上……手数料を引く前の販売金額(客が払った金額)
- 支払手数料……販売手数料、決済手数料、月額の出店料
手取りだけを売上にすると、売上も経費も小さく計上されてしまいます。精算書の内訳を見て、総額と手数料に分けて記帳しましょう。
送料・梱包費の扱い
- 客から受け取る送料……売上に含めます
- 運送会社に払う送料……荷造運賃として経費
- 段ボール・緩衝材・テープ……荷造運賃または消耗品費
「送料無料」で販売している場合も、自分が負担した送料は経費になります。売上に送料を上乗せしていないだけで、支払いは発生しているためです。
梱包資材・発送料・決済手数料・撮影機材など、身近な支出を品目名で検索できます。
在庫は棚卸して繰り越す
仕入れた金額がそのまま経費になるわけではありません。経費(売上原価)になるのは売れた分だけです。
売上原価 = 期首の在庫 + その年の仕入 − 期末の在庫
年末に残っている商品を数え、金額を出します。自宅や外部倉庫に預けている分も対象です。倉庫やトランクルームの利用料は経費になります。
返品・キャンセル・値引き
- 返品・キャンセル……その分の売上を取り消します。年をまたいだ場合は、返品があった年の売上から差し引く方法が一般的です。処理の方法は毎年同じにすることが大切です。
- 自分が負担した値引き・ポイント……売上の減額、または販売促進費として処理します。プラットフォームが負担する分と自分が負担する分は明細で分かれているので、内訳を確認しましょう。
モールと自社ECで変わること
| モール(楽天・Amazon など) | 自社EC(BASE・Shopify など) | |
|---|---|---|
| 主な経費 | 出店料・販売手数料・広告費 | 月額利用料・決済手数料・ドメイン代 |
| 入金 | モールから一括で精算 | 決済代行会社から入金 |
| 記帳の手がかり | 精算書の内訳 | 決済代行の明細 |
どちらの場合も、総額と手数料が分かる書類を保存しておくことが記帳の前提になります。ダウンロードした精算書やCSVは、電子データのまま保存するのが原則です。
撮影・出品にかかる費用
商品写真の撮影機材、撮影用の背景や小物、商品説明の外注、広告費はいずれも経費になります。10万円以上のカメラや照明は資産として減価償却します。
税理士に相談すべきライン
売上が1,000万円を超えて消費税の申告が始まるとき、海外に販売して越境ECの扱いに迷うとき、在庫が大きくなって資金繰りと利益がずれてきたときは、税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: ネットショップの消費税|手数料・越境EC・プラットフォーム課税 / せどり・物販の確定申告と在庫の扱い
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
ネットショップの売上はいつ計上しますか?
入金された日ではなく、収入が確定した日で計上するのが原則です。一般には商品を発送して相手に引き渡した時点で考えます。年末の注文が翌年入金でも、発送が年内ならその年の売上です。
プラットフォームの手数料を引かれた後の金額を売上にしてよいですか?
いけません。手数料を引く前の金額を売上に計上し、手数料は支払手数料として経費にします。手取りだけを売上にすると、売上も経費も小さく計上されてしまいます。
送料はどう処理しますか?
客から受け取る送料は売上に含め、運送会社に払う送料は荷造運賃として経費にします。送料無料で販売している場合も、自分が負担した分は経費になります。
売れ残った在庫はどうなりますか?
年末に残っている商品は棚卸資産として翌年に繰り越します。仕入れた金額がそのまま経費になるのではなく、売れた分だけが売上原価になります。
返品やキャンセルがあった場合は?
その分の売上を取り消します。年をまたいで返品された場合は、返品があった年の売上から差し引く方法が一般的です。処理の方法は継続して同じにしましょう。
モールが負担するポイントやクーポンはどう扱いますか?
自分が負担した値引き分は売上の減額または販売促進費として処理します。明細で自分の負担分がわかるようにしておきましょう。プラットフォームによって表示が異なるため、精算書の内訳を確認します。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。