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少額減価償却資産の特例とは?令和8年4月から40万円未満に

青色申告の中小事業者は、40万円未満の資産を買った年に全額経費にできます(年300万円まで)。令和8年4月に30万円から引き上げられました。一括償却資産との選び方や償却資産税の注意点まで、やさしく解説します。

税税金AI 編集部 公開 2026年10月4日更新 2026年10月15日

仕事用のパソコンや機材を買ったとき、高いものは「減価償却」で何年かに分けて経費にするのが原則です。ただし青色申告をしている中小事業者なら、一定額未満のものを買った年に全額経費にできる特例があります。それが少額減価償却資産の特例です。

この記事の結論
令和8年4月1日以後に買ったものは、40万円未満なら事業に使い始めた年に全額経費にできます(年300万円まで・青色申告の中小事業者)。令和8年3月31日までに買ったものは30万円未満が基準です。

金額ごとの4つの扱い

買ったものの経費のしかたは、1つあたりの金額で次のように分かれます。

1つあたりの金額経費のしかた使える人
10万円未満買った年に全額を経費だれでも
10万円以上20万円未満3年で均等に経費(一括償却資産)も選べるだれでも
40万円未満買った年に全額を経費(少額減価償却資産の特例・年300万円まで)青色申告の中小事業者
それ以上耐用年数にわたって減価償却だれでも
買ったものの経費処理は金額で分かれる10万円未満はその年に全額を経費。10万円以上20万円未満は3年で均等に分ける方法も選べます。40万円未満は青色申告なら全額を経費にできる特例があり(令和8年3月までに買ったものは30万円未満)、それ以上は減価償却になります。判定は1つの資産ごとに行います。10万円未満その年に全額を経費にできる10万円以上 20万円未満3年で均等に分ける方法も選べる40万円未満青色申告なら全額を経費にできる(年間300万円まで・令和8年4月から)40万円以上減価償却で耐用年数にわたって分ける※ 判定は「1つの資産ごと」。合計が大きくても、1つずつが10万円未満ならその年に全額を経費にできます。
10万円未満はその年に全額を経費。10万円以上20万円未満は3年で均等に分ける方法も選べます。40万円未満は青色申告なら全額を経費にできる特例があり(令和8年3月までに買ったものは30万円未満)、それ以上は減価償却になります。判定は1つの資産ごとに行います。

令和8年4月の改正で変わったこと

令和8年度税制改正で、この特例が拡充されました。

令和8年3月31日までの取得令和8年4月1日以後の取得
対象になる金額30万円未満40万円未満
年間の上限300万円300万円(変わらず)
対象外になる法人常時使用する従業員が500人超常時使用する従業員が400人超
期限—令和11年3月31日までの取得

どちらの基準になるかは「取得した日」で決まります。3月に買って4月から使い始めたものは、30万円未満の基準です。買う時期を4月以後にずらせる場合は、その差が効いてきます。

使える人

  • 青色申告をしていること……白色申告では使えません。これから使いたい人は、まず青色申告の承認申請が必要です。
  • 中小事業者であること……法人は資本金1億円以下などの中小企業者で、令和8年4月1日以後の取得については常時使用する従業員が400人以下であることが要件です。個人事業主も従業員数の要件がありますが、ほとんどの個人事業主は当てはまります。
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判定のしかた——ここで迷いやすい

  • 1つずつ判定します……ふつう1単位として取引されるもの(1台・1組)ごとに判定します。パソコン本体とモニターのように別々に使えるものは、それぞれで判定するのが一般的です。
  • 税込みか税抜きかは経理のしかたで決まります……税込経理なら消費税込み、税抜経理なら税抜きの金額で判定します。免税事業者は税込経理なので、消費税込みで40万円未満かどうかを見ます。
  • 人に貸すためのものは対象外……令和4年4月1日以後に取得した資産で、貸し付けに使うもの(貸付けが主な事業の場合を除く)には、この特例も10万円未満・一括償却も使えません。
  • 上限は年300万円……合計が300万円に達するまでの分が対象で、超えた分は通常の減価償却です。どれに特例を使うかは選べます。

具体例: 35万円のパソコン

個人事業主(青色申告)が、耐用年数4年のパソコンを35万円で買った場合です。

買った日扱いその年の経費
令和8年5月40万円未満なので特例が使える35万円(全額)
令和8年3月30万円以上なので特例は使えない減価償却(定額法なら1年分で8万7,500円、使った月数で按分)

同じ35万円でも、買った日によってその年の経費が大きく変わります。

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金額と耐用年数、買った時期を入れると、特例が使えるかどうかと毎年の償却額がわかります。

一括償却資産とどちらを選ぶ?(20万円未満のとき)

10万円以上20万円未満のものは、この特例と一括償却資産(3年で均等に経費にする方法)のどちらも選べます。

少額減価償却資産の特例一括償却資産
経費にできる時期買った年に全額3年で均等
使える人青色申告の中小事業者だれでも
年300万円の枠使う使わない
償却資産税対象になる対象外

その年の利益が大きいなら特例、償却資産税をかけたくない・300万円の枠を他に使いたいなら一括償却資産、というのが大まかな考え方です。

償却資産税の申告を忘れずに
この特例で全額を経費にした資産も、市区町村への償却資産の申告の対象になります(毎年1月31日まで)。償却資産の合計が150万円未満なら課税はされませんが、申告が必要かどうかは市区町村によって案内が異なります。事業所のある市区町村にご確認ください。

確定申告での書き方

  • 個人事業主……青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に記入し、摘要欄に「措法28条の2」と書いて、この特例を使ったことがわかるようにします。会計ソフトなら、固定資産の登録で「少額減価償却資産」を選ぶと自動で記入されることが多いです。
  • 法人……法人税の申告書に、少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付します。

「節税のために買う」は慎重に

年末に「経費にできるから」と必要のないものを買うと、税金は減っても手元のお金はそれ以上に減ります。たとえば所得税・住民税の税率が合わせて20%の人が35万円の機材を買っても、減る税金はおよそ7万円で、手元からは28万円が出ていきます。本当に事業に必要なものを、買う時期を考えて買うのが基本です。

税理士に相談すべきライン

高額な設備をまとめて買う年、300万円の枠をどの資産に使うか迷うとき、法人で従業員数の要件に近いときは、税理士に相談すると安心です。

あわせて読みたい: パソコン・スマホの経費 / 個人事業主の経費 完全ガイド / 減価償却とは(用語)

参考にした一次情報(出典)

本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。

よくある質問

少額減価償却資産の特例とは何ですか?

青色申告をしている中小事業者が、一定額未満の減価償却資産を買ったとき、耐用年数で分けずに、事業に使い始めた年に全額を経費にできる特例です。経費にできる取得価額の合計は年300万円までです。

令和8年4月から何が変わりましたか?

対象になる取得価額が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、期限が令和11年3月31日まで延長されました。令和8年4月1日以後に取得したものが対象です。法人は、常時使用する従業員が400人を超えると対象外になりました(改正前は500人超)。年300万円の上限は変わっていません。

3月に買って4月から使い始めた場合はどちらの基準ですか?

取得した日で判定します。令和8年3月31日までに取得したものは30万円未満、4月1日以後に取得したものは40万円未満が基準です。

個人事業主でも使えますか?

青色申告をしていれば使えます。白色申告では使えません。従業員が非常に多い場合などは対象外になりますが、ほとんどの個人事業主は対象です。

40万円は税込みですか、税抜きですか?

ふだんの経理のしかたで決まります。税込経理なら消費税を含めた金額、税抜経理なら含めない金額で判定します。免税事業者は税込経理になるため、消費税を含めた金額で判定します。

年300万円を超えたらどうなりますか?

300万円に達するまでの分だけがこの特例の対象で、残りは通常の減価償却をします。どの資産に特例を使うかは選べます。

償却資産税(固定資産税)はかかりますか?

この特例で全額を経費にした資産も、償却資産税の申告の対象になります。一方、10万円未満で全額経費にしたものや、20万円未満で一括償却資産(3年で均等に経費にする方法)を選んだものは対象外です。くわしくは事業所のある市区町村にご確認ください。

パソコンとモニターを一緒に買ったら合計で判定しますか?

判定は、ふつう1単位として取引されるもの(1台・1組)ごとに行います。パソコン本体とモニターは別々に使えるため、一般にはそれぞれで判定します。セットでしか使えないものは合計で判定します。

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執筆税金AI 編集部編集部

個人事業主・法人の税務を、AIと無料ツールでやさしく。出典と更新日を明記し、税理士監修を進めています。

本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。

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