スマホ・PC・サブスクの経費計上|10万円の壁
パソコン・スマホ・ソフトやサブスクの経費計上を解説。10万・20万・30万円の少額特例、通信費の按分、AIへの相談プロンプトつき。
パソコンやスマホ、ソフトの費用は経費にできますが、金額によって処理が変わります。ポイントは「10万円の壁」です。
10万円未満はその年に全額
取得価額10万円未満のものは「少額の減価償却資産」として、買った年に全額必要経費にできます。多くのスマホ・周辺機器・ソフトはここに入ります。
10万円以上は減価償却か特例
10万円以上は原則減価償却。ただし金額により有利な選択肢があります。
- 20万円未満:3年で均等償却(一括償却資産)
- 30万円未満:青色申告の中小事業者は即時償却(年間300万円まで)
取得価額を入れると、少額特例の判定と償却スケジュールがわかります。
通信費・サブスクの按分
スマホ代やインターネット代は、プライベート兼用なら家事按分します。月額のソフトやクラウドサービスは継続的に費用計上します。
AIに勘定科目を相談する
実名・マイナンバー・口座番号は入れないでください。コピー後、手元のAIに貼り付けて使います。当サイトには送信されません。
支出を入れると、科目と処理方法の候補を提案します。
10万円は税込か税抜か
判定に使う金額は、経理の方式によって変わります。税込経理をしている場合は税込金額、税抜経理をしている場合は税抜金額で判定します。免税事業者は税込経理になるため、税込で10万円未満かどうかを見ます。9万8,000円の機器でも、税込で判定すると10万円を超えることがあるため注意してください。
セットで買ったときの判定
判定は「通常1単位として取引される単位」ごとに行います。パソコン本体とモニターを同時に購入しても、それぞれ単独で使えるものは別々に判定するのが一般的です。一方、本体と一体でなければ使えない部品は合わせて判定します。
中古で買った場合の耐用年数
中古品は、法定耐用年数より短い年数で償却できます。法定耐用年数をすべて過ぎている場合は「法定耐用年数×20%」、一部が過ぎている場合は「(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%」で計算し、1年未満の端数は切り捨てて最低2年とします。パソコン(法定4年)を4年落ちで買った場合は2年になります。
ソフトウェア・サブスクの扱い
- 買い切りのソフトウェア……10万円以上は無形固定資産として、原則5年で償却します。
- 月額・年額のサブスク……その期間の費用として計上します。年払いで翌年分を含む場合は、原則として翌年の費用になります。
- クラウドサービスの利用料……通信費や支払手数料などの科目で、使った期間の費用にします。
私物を事業用に切り替えたとき
もともと私用で買ったパソコンを事業でも使うようになった場合、購入時の価格から使用期間に応じた減価分を差し引いた金額をもとに、事業割合に応じて減価償却していく考え方があります。購入時の記録が残っていると計算しやすくなります。
売却・廃棄したとき
事業用の資産を売った場合は、売却額と帳簿上の残額との差額を処理します。廃棄した場合は、まだ経費にしていない残額を除却損として計上します。備忘価額の1円も、このタイミングで処理します。
分割払い・端末代の割賦で買ったとき
「一括なら12万円だけど、24回払いだから毎月5,000円。10万円未満だから消耗品費でいいですよね?」——これはよくある誤解です。 10万円・20万円・30万円という金額の判定は、**支払い方法に関係なく、その資産の取得価額(本体価格の総額)**で行います。分割払い・割賦・リボ払いのいずれでも、12万円のスマホは「12万円の資産」として扱うのが原則です。毎月の支払額で判定するのではありません。
- 本体代金と通信料をまとめて毎月払っている場合……請求書の内訳を見て、本体代金の部分と通信料の部分を分けて考えます。本体代金は取得価額、通信料は通信費です。
- 分割手数料・割賦手数料が明示されている場合……その部分は本体の取得価額に含めず、支払手数料や支払利息などとして別に処理できます。手数料が区分されていない場合は本体価格に含めて考えるのが一般的です。
- 端末代金の「実質0円」「割引」……値引き後の実際の負担額で判定するのが基本です。契約内容によって扱いが変わるため、請求内訳を保存しておきましょう。 未払いの残額があっても、資産として計上して使い始めた年から減価償却を始めます。支払いが終わるまで経費にできない、ということではありません。
法人名義・社用携帯の場合
個人事業主と法人では考え方が少し変わります。
- 個人事業主……「法人契約」という区分はありませんが、仕事専用の回線・端末を分けておくと、家事按分が不要になり説明もしやすくなります。プライベートと兼用なら、使用実態に応じた割合で按分します。
- 法人……会社名義で契約した携帯電話の料金は、業務用として使っている限り通信費として処理するのが一般的です。ただし私的な利用が多いと、その部分が役員や従業員への現物給与とみなされる可能性があります。
- 法人が個人名義の携帯代を負担する場合……業務利用分が明確に区分されていないと、給与として扱われるおそれがあります。業務利用分だけを精算する、または会社名義で契約し直すほうが説明しやすくなります。 端末そのものを会社で買った場合も、金額に応じて資産計上か費用処理かを判定する点は個人事業主と同じです。判断に迷うときは税理士にご確認ください。
勘定科目はどれを使う?
勘定科目に「絶対の正解」はありませんが、一般的にはこのように分けます。大切なのは、毎年同じ支出を同じ科目で処理し続けること(継続性)です。
- スマホ・パソコン本体(10万円未満)……消耗品費
- スマホ・パソコン本体(10万円以上)……工具器具備品などで資産計上し、以後は減価償却費
- 毎月の通信料・通話料・データ通信料……通信費
- プロバイダ料金・レンタルサーバー・ドメイン……通信費(支払手数料とする場合もあります)
- 月額ソフト・クラウドサービス……通信費や消耗品費、支払手数料
- 分割手数料・割賦手数料……支払手数料または支払利息
- スマホケース・保護フィルム・充電器……消耗品費
- 画面割れの修理代……修繕費(消耗品費とすることもあります) 10万円以上で資産にする場合の耐用年数は、その資産がどの区分に当たるかで決まります。パソコンは4年とされますが、携帯電話は区分の判定が実務で分かれることがあるため、迷う場合は税務署や税理士に確認すると確実です。
注意点
スマホ・パソコンのほか、家賃・ガソリン・スーツなど身近な支出を品目名で検索できます。
あわせて読みたい: 個人事業主の経費 完全ガイド / 減価償却とは(用語) / この支出、経費になる?逆引き辞典
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
20万円のパソコンは一度に経費にできる?
青色申告の中小事業者なら、30万円未満の少額減価償却資産の特例で取得した年に全額経費にできます(年間合計300万円まで)。白色や特例を使わない場合は減価償却または一括償却になります。
サブスク(月額ソフト)は何費?
通信費や支払手数料、消耗品費などで継続的に費用計上します。仕事に使う割合で按分が必要な場合もあります。
スマホ代は全額経費にできる?
プライベートと兼用なら、仕事に使う割合で家事按分します。仕事専用の番号なら全額計上できます。
10万円の判定は税込ですか税抜ですか?
経理の方式によります。税込経理なら税込金額、税抜経理なら税抜金額で判定します。免税事業者は税込で判定します。
パソコンとモニターを一緒に買った場合は?
通常1単位として取引される単位ごとに判定します。それぞれ単独で使えるものは別々に判定するのが一般的です。
中古のパソコンは何年で償却しますか?
法定耐用年数をすべて過ぎていれば「法定耐用年数×20%」で計算し、端数を切り捨てて最低2年です。4年落ちのパソコンなら2年になります。
12万円のスマホを24回払いで買いました。毎月5,000円なら消耗品費にできますか?
できません。10万円未満かどうかの判定は支払い方法ではなく取得価額(本体価格の総額)で行うため、12万円の資産として扱います。青色申告なら30万円未満の少額特例で取得した年に全額経費にできる場合があります。
法人名義の携帯電話代は全額経費にできますか?
業務用として使っている限り通信費として処理するのが一般的です。ただし私的な利用が多い場合は、その部分が現物給与とみなされる可能性があります。業務利用の実態を説明できるようにしておきましょう。
スマホ本体の勘定科目は何になりますか?
10万円未満なら消耗品費、10万円以上なら工具器具備品などで資産計上し減価償却費で費用化するのが一般的です。毎月の通信料は通信費で、本体代とは分けて処理します。
個人事業主・法人の税務を、AIと無料ツールでやさしく。出典と更新日を明記し、税理士監修を進めています。
本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。