ハンドメイド販売と扶養——いくらまで働ける?
扶養には税金の扶養と社会保険の扶養があり、基準が違います。ハンドメイド販売の所得がいくらを超えると何が変わるのかを、判定の順番に沿って整理します。
「扶養の範囲で作品を売りたい」という相談はとても多いのですが、扶養には税金の扶養と社会保険の扶養があり、基準が違います。混同すると見込みが狂うため、分けて考えるのが近道です。
まず押さえること:判定は「所得」で行います
税金の扶養で見るのは、売上そのものではなく所得です。
材料費、販売手数料、送料、梱包材、出展料などを引いた後の金額で判定されます。売上が基準を超えていても、経費を引いた所得が基準以下なら扶養の範囲に収まることがあります。
税金の扶養
配偶者の所得控除(配偶者控除・配偶者特別控除)や、親の扶養控除に関わります。所得が一定額を超えると、控除が段階的に減ったり受けられなくなったりします。
この金額は制度改正で見直されることがあるため、その年の最新の金額を国税庁や自治体の案内で確認してください。当サイトでは令和7年改正まとめでも扱っています。
なお、扶養を外れても手取りが減るとは限りません。控除が減る分の税負担は増えますが、その分以上に稼いでいれば世帯全体の手取りは増えます。
社会保険の扶養
こちらは税金とは別の基準です。
- 加入している健康保険組合ごとに基準が定められています。
- 年間の見込み収入で判定されることが多く、超えた時点で手続きが必要になる場合があります。
- 経費として認められる範囲が税金と異なることがあります。組合によっては、売上から直接の仕入れしか引けない扱いをすることもあります。
経費を正しく集計する
扶養の判定でも確定申告でも、経費の集計が出発点になります。ハンドメイドで計上できる主なものは次のとおりです。
- 材料費(布、糸、ビーズ、レジンなど)
- 販売プラットフォームの手数料・決済手数料
- 送料・梱包材(箱、袋、緩衝材)
- 道具・工具(10万円以上は減価償却)
- 作品撮影用の機材・背景
- イベント出展料、什器、交通費
- 作業スペースの家事按分分
材料をまとめ買いしても、経費になるのはその年に売れた作品に使った分だけです。残った材料や売れていない作品は棚卸資産として翌年に繰り越します。
年の途中で見通しを立てる
境目に近い場合は、年末を待たずに集計しておくと選択肢が増えます。
- 現時点の売上と経費を出す
- 年末までの見込みを足す
- 基準を超えそうなら、受注のペースを調整するか、超えることを前提に手続きを準備する
売上と経費を入れると、次に来る壁と、あと何円で届くのかがわかります。ハンドメイドのような業務委託・自営の収入にも対応しています。
税理士に相談すべきライン
事業所得か雑所得かの判断に迷う、扶養の基準を超えるかどうか微妙、開業届を出すか迷っている——こうした場合は税理士に相談すると安心です。社会保険の扶養については、加入している健康保険組合が一次的な窓口になります。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
判定に使うのは売上ですか、利益ですか?
税金の扶養では、売上から必要経費を引いた所得で判定します。売上が大きくても経費を引いた所得が基準以下なら、扶養の範囲に収まることがあります。
社会保険の扶養も同じ基準ですか?
違います。社会保険の扶養は加入している健康保険組合ごとに基準が決められており、経費として認められる範囲も税金とは異なることがあります。加入先に確認してください。
経費を多く計上すれば扶養に入れますか?
実際にかかった費用を正しく計上する分には問題ありません。ただし事業と関係のない支出を経費にすることはできません。
青色申告特別控除は扶養の判定に影響しますか?
青色申告特別控除を引いた後の所得で判定されるのが一般的です。ただし社会保険の扶養では扱いが異なることがあるため、加入先への確認が必要です。
扶養を外れると何が変わりますか?
配偶者や親の税負担が増えるほか、社会保険の扶養を外れると自分で国民健康保険料・国民年金保険料を負担することになります。
年の途中で基準を超えそうです。
早めに売上と経費を集計して見通しを立ててください。社会保険の扶養は年間の見込み収入で判定されることが多く、超えた時点で手続きが必要になる場合があります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。