確定申告のやり方 完全ガイド(個人事業主向け)
個人事業主・フリーランスの確定申告を、準備から提出までの流れで解説。所得の計算、使える控除、無料ツールとAIへの相談プロンプト、つまずきやすい点まで一気通貫。
確定申告は「1年間の所得と税額を自分で計算して申告・納税する手続き」です。はじめてだと身構えますが、流れを分解すれば難しくありません。このガイドでは個人事業主・フリーランス向けに、準備から提出までを一気通貫で解説します。
確定申告とは(だれが・いつ)
確定申告は、対象年(1/1〜12/31)の所得を翌年の原則 2月16日〜3月15日 に申告・納税する手続きです。個人事業主は、売上から必要経費を引いた事業所得が中心になります。
全体の流れ(4ステップ)
- 準備:開業届・青色申告の承認申請、会計ソフト等の用意
- 記帳:日々の売上・経費を記録(家事按分もこの段階で)
- 集計:所得と所得控除を計算し、課税所得を出す
- 提出・納付:申告書を作成し、e-Taxまたは書面で提出して納税
税額をざっくりつかむ
正式な計算の前に、どのくらいの税額になるか概算でつかんでおくと安心です。利益を入れるだけで所得税・住民税・国保などの目安が出る無料ツールを用意しています。
年間の利益を入れるだけ。所得税+住民税+事業税+保険料と手取りの目安がわかります。
AIに準備を手伝ってもらう(プロンプト)
やることの抜け漏れが不安なら、状況をAIに渡して整理してもらうのが近道です。下のプロンプトをコピーして、手元のChatGPT・Claudeに貼ってください。
実名・マイナンバー・口座番号は入れないでください。コピー後、手元のAIに貼り付けて使います。当サイトには送信されません。
状況を選ぶだけで、あなた専用の相談プロンプトが完成します。
申告が必要な人・不要な人
個人事業主は、1年間の所得から所得控除を引いて残りがあれば申告が必要です。所得がごく小さければ所得税の申告が不要になることもありますが、次の点に注意してください。
- 住民税の申告は別……所得税の申告が不要でも、住民税の申告は必要になることがあります。お住まいの自治体の案内をご確認ください。
- 源泉徴収されているなら戻ることがある……原稿料や士業報酬などで源泉徴収されている場合、申告すると納めすぎた分が還付されることがあります。
- 赤字でも出す価値がある……青色申告なら赤字を3年繰り越せます(損益通算・純損失の繰越控除)。
- 会社員の副業は20万円が目安……給与を1か所から受けていて、給与以外の所得の合計が20万円を超えると申告が必要とされています。
準備するもの
手元にそろえておくと、集計がぐっと楽になります。
- 売上がわかるもの(請求書の控え・入金明細・売上台帳)
- 経費の領収書・レシート・クレジットカードの明細
- 事業用の通帳(プライベートと分けておくと集計が早くなります)
- 控除の証明書……国民年金・国民健康保険の支払額、小規模企業共済やiDeCoの掛金証明、生命保険料控除証明、医療費の領収書、ふるさと納税の受領証明
- マイナンバーカード(e-Taxを使う場合)
- 前年の申告書の控え(2年目以降)
記帳のしかた
帳簿は会計ソフトを使うのが現実的です。銀行口座やクレジットカードを連携しておけば明細が自動で取り込まれ、複式簿記の帳簿もほぼ自動で作られます。青色申告で65万円・55万円をねらうなら複式簿記が要件になるため、はじめからソフトを使うほうが結果的に近道です。
記帳は原則として発生主義——お金が動いた日ではなく、取引が起きた日で記録します。12月に納品して1月に入金された売上は、原則12月の売上として計上します。
領収書や請求書は原則7年(書類により5年)の保存が必要です。メールやウェブでやり取りしたものは、紙に印刷するのではなく電子データのまま保存するのが原則です(電子帳簿保存法の電子取引データ保存)。
いまの保存のしかたで要件を満たせているか、数問で確認できます。
使える所得控除を取りこぼさない
所得控除は所得から差し引いて課税対象を小さくするもので、取りこぼしがそのまま税額の差になります。
だれでも使えるもの
- 基礎控除……合計所得金額が一定額以下であれば適用されます。
- 社会保険料控除……国民年金・国民健康保険で支払った全額が対象です。家族の分を負担した場合も含められることがあります。
使うと決めれば増やせるもの
- 小規模企業共済等掛金控除……小規模企業共済やiDeCoの掛金が全額対象です。個人事業主にとって効果の大きい控除です。
- 寄附金控除……ふるさと納税もこれにあたります。上限の目安はふるさと納税 上限計算で確認できます。
当てはまる人が使うもの
- 医療費控除……生計を共にする家族の分を合算でき、通院の交通費が対象になることもあります。
- 生命保険料控除・地震保険料控除
- 配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除・障害者控除
提出のしかた(e-Taxと書面)
e-Taxを使うと自宅から送信でき、青色申告特別控除65万円の要件のひとつも満たせます。方法は2つあります。
- マイナンバーカード方式……カードとスマートフォン(またはICカードリーダー)で認証します。
- ID・パスワード方式……事前に税務署で本人確認を受けて発行してもらいます。
書面の場合は、税務署の窓口・郵送・時間外収受箱で提出します。郵送では消印の日付が提出日として扱われます。
納税と還付
納付の期限は申告と同じ3月15日が原則です。納め方はいくつかあります。
- 振替納税(口座引き落とし。引き落としは4月中旬ごろになります)
- ダイレクト納付・インターネットバンキング
- クレジットカード納付(決済手数料がかかります)
- コンビニ納付(QRコード)・金融機関や税務署の窓口
還付になる場合は、申告書に記載した口座へおおむね1か月から1か月半ほどで振り込まれます。前年の納税額が一定以上だと、7月と11月に予定納税として前払いを求められることがあります。
間違えたときの直し方
- 税額が少なすぎた……修正申告をします。指摘を受けてから対応するより、自分から申告するほうが加算税の面で有利になるのが一般的です。
- 税額が多すぎた……更正の請求をします。原則として申告期限から5年以内です。
- 期限に間に合わなかった……期限後申告になります。できるだけ早く提出するほど負担が軽くなる場合があります。
年間のながれ
- 1月……前年分の集計を始めます。取引先から支払調書が届くこともあります。
- 2月16日〜3月15日……確定申告と納税。
- 3月15日……その年から青色申告をする場合の承認申請の期限。
- 6月・8月・10月・翌1月……住民税の納付(普通徴収の場合)。
- 7月・11月……予定納税(対象となる人のみ)。
- 8月・11月……個人事業税の納付(対象となる人のみ)。
- 12月31日……この日までの取引が、その年の対象になります。
つまずきやすい罠
前年の納税額を入れると、7月・11月に納める額と、減額申請の期限がわかります。
掛金を入れると、減る税金と実質の負担がわかります。始める前の注意点も出します。
税理士に相談すべきライン
売上が1,000万円前後で消費税の課税事業者になりそう、法人成りを検討、相続・海外移住などで論点が複雑、税務署からお尋ねが来た——こうした場合は早めに税理士へ。無料ツールやAIは下調べに使い、最終判断は専門家に委ねるのが安全です。
あわせて読みたい: 個人事業主の経費 完全ガイド / 青色申告のすべて
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
確定申告はいつからいつまで?
原則として、対象年の翌年2月16日から3月15日までに申告・納税します(期限が土日祝の場合は翌平日)。還付申告は年明けから提出できます。最新の期日は国税庁の案内をご確認ください。
売上がいくらから申告が必要?
所得(売上−必要経費)が基礎控除などの所得控除を上回り、納める税額が出る場合は申告が必要です。少額でも住民税の申告が必要なことがあります。判断に迷う場合は税理士や税務署にご確認ください。
青色申告と白色申告のどちらがいい?
継続して事業を行うなら、最大65万円控除や赤字の繰越しが使える青色申告が有利なことが多いです。複式簿記などの要件があります。要件は青色65万控除チェッカーで確認できます。
e-Taxと書面、どちらで出す?
e-Tax(電子申告)なら青色申告特別控除が65万円になり、添付書類の一部を省略できます。スマホからも申告できます。書面提出も可能です。
赤字でも確定申告をしたほうがいいですか?
青色申告をしている場合は、申告することで赤字を翌年以降3年間繰り越し、将来の黒字と相殺できます。将来の税額に影響するため、赤字の年も申告しておくのが一般的です。
必要な書類は何ですか?
売上がわかるもの、経費の領収書、控除の証明書(国民年金・国民健康保険・共済やiDeCoの掛金・生命保険料・医療費・ふるさと納税など)、e-Taxを使う場合はマイナンバーカードです。
申告を間違えたときはどうすればいいですか?
税額が少なすぎた場合は修正申告、多すぎた場合は更正の請求(原則5年以内)で直します。自分から修正するほうが、指摘を受けてからより加算税の面で有利になるのが一般的です。
納税はいつ、どうやってしますか?
原則3月15日までです。振替納税、ダイレクト納付、クレジットカード納付、コンビニ納付、窓口などが選べます。振替納税にすると引き落としは4月中旬ごろになります。
個人事業主・法人の税務を、AIと無料ツールでやさしく。出典と更新日を明記し、税理士監修を進めています。
本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。