デザイナーの経費|外注・素材・フォントの扱い
イラストやコーディングを人に頼んだとき、素材やフォントを買ったとき。デザインの仕事に特有の経費について、科目の分け方と注意点をやさしく解説します。
デザインの仕事には、他の業種にはあまりない経費があります。外注とライセンス費用です。ここを整理しておくと、帳簿がぐっと楽になります。
外注したときの経費
イラスト、コーディング、写真撮影、ライティング。案件の一部を人に頼むことはよくあります。この支払いは外注費として経費になります。
残しておくものは次の3つです。
- 請求書(相手からもらったもの)
- 支払の記録(振込明細)
- 相手の氏名・住所(必要になることがあります)
自分が源泉徴収をする必要はあるか
外注したイラストレーターへの支払いも、本来は源泉徴収の対象になる報酬です。ただし、源泉徴収をする義務があるのは、人を雇っている事業者です。
一人で活動している個人事業主であれば、原則として源泉徴収の義務はありません。人を雇いはじめたら扱いが変わるので、そのタイミングで確認してください。
素材・フォント・ソフトの費用
| 費用 | 扱い |
|---|---|
| 素材サイトの月額・年額料金 | その期間の経費(通信費・支払手数料など) |
| 素材の都度購入 | 消耗品費など |
| フォントの年間ライセンス | その期間の経費 |
| フォントの買い切り(10万円以上) | ソフトウェアとして減価償却 |
| サブスク型のデザインソフト | その期間の経費 |
| 買い切りのソフト(10万円以上) | ソフトウェアとして減価償却 |
科目は毎年そろえることが大切です。去年は通信費、今年は消耗品費、では推移が読めなくなります。一度決めたら同じ科目を使い続けてください。
品目名を入れると、経費になるか・按分が必要か・どの科目かがわかります。
機材は金額で処理が変わります
| 取得価額 | 処理 |
|---|---|
| 10万円未満 | その年に全額を経費 |
| 10万円以上 20万円未満 | 3年で均等に分ける方法も選べる |
| 30万円未満 | 青色申告なら全額を経費にできる特例(年間300万円まで) |
| 30万円以上 | 減価償却で耐用年数にわたって分ける |
判定は1つの資産ごとです。パソコン、モニター、ペンタブレットはそれぞれ別に判定します。合計で30万円を超えても、1つずつが10万円未満ならその年に全額を経費にできます。
金額と耐用年数を入れると、少額特例の判定と毎年の償却額がわかります。
自宅で作業している場合
自宅を仕事場にしているなら、家賃・電気代・通信費を家事按分して経費にできます。
按分の基準は面積(仕事部屋の広さ)や時間(1日のうち作業に使う時間)です。「なんとなく半分」ではなく、数えられる基準で計算し、その過程を残しておいてください。
判断が分かれるもの
- デザイン関連の書籍・雑誌……業務に直接必要なものは新聞図書費にしやすい
- 展示会・美術館の入場料……仕事のための調査と説明できるかによる
- 一般教養のセミナー……家事費とされやすい
線引きが難しいものは、レシートの裏に目的をひと言メモしておくと、あとから説明しやすくなります。
税理士に相談すべきライン
外注が増えて源泉徴収の要否に迷うとき、人を雇いはじめるとき、売上が1,000万円に近づいたときは、税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
イラストを外注した費用は経費になりますか?
仕事のために依頼した制作費は外注費として経費になります。請求書と支払の記録を残してください。
外注したとき、こちらが源泉徴収をする必要はありますか?
人を雇っていない個人事業主なら、原則として源泉徴収の義務はありません。人を雇っている場合は、支払う報酬の種類によって義務が生じることがあります。
素材サイトの月額料金は経費になりますか?
仕事で使うために契約しているなら経費になります。私的にも使う場合は使用割合で按分します。
フォントのライセンス費用はどう処理しますか?
年ごとに支払うタイプはその期間の経費です。買い切りで10万円以上のものはソフトウェアとして減価償却になることがあります。
高性能なパソコンやモニターは一括で経費にできますか?
1つあたり10万円未満なら全額を経費にできます。10万円以上は原則として減価償却ですが、青色申告なら30万円未満まで一括にできる特例があります。
勉強のための本やセミナー代は経費になりますか?
業務に直接必要なものは新聞図書費や研修費として経費にしやすい費用です。一般的な教養のためのものは家事費とされやすく、判断が分かれます。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。