ネイル・エステの材料と在庫|年末に残った分はどうする
ジェルやチップ、化粧品などの材料は、買った年に全額を経費にできるとは限りません。棚卸という考え方と、年末にやることをやさしく解説します。
ネイルやエステの仕事では、材料の仕入れが毎月発生します。ここで多い誤解が「買った年に全部経費になる」というものです。実際は少し違います。
2種類に分けて考えます
扱っているものを、まず2つに分けてください。
| 施術で消費する材料 | 販売用の商品 | |
|---|---|---|
| 例 | ジェル、チップ、オイル、パック | 化粧品、ケア用品、ネイルオイル |
| 科目 | 消耗品費・材料費 | 仕入高(売上原価) |
| 年末に残った分 | 金額が大きければ棚卸 | 必ず棚卸 |
販売用の商品は、売れた分だけが原価になります。仕入れて売れ残っている分は、まだ費用にはなりません。ここは必ず数える必要があります。
施術で使う材料は「使った分」
施術で消費する材料も、原則としては使った分が経費です。ただし、毎年ほぼ同じ程度しか残らない少額の消耗品まで厳密に数える必要はない、とされるのが一般的です。
数えたほうがよいのは、次のようなときです。
- セールでまとめ買いした……年末の残りが例年より大幅に多い
- 新しいメニューを始めた……材料を大量に仕入れた
- もともと金額が大きい……機器用の専用材料など
年末にやること
12月31日時点で、次の手順で数えます。
- 残っているものを数える(種類ごとに個数・本数)
- 仕入れた価格をかける(実際に支払った金額)
- 棚卸表を作る(品名・数量・単価・金額)
- 保管する(申告書には金額だけ書き、表は手元に保管)
使いかけのものは、厳密に量る必要はありません。おおよその残量で合理的に見積もれば足ります。大切なのは毎年同じ方法で数えることです。
帳簿ではこう動きます
棚卸をすると、その年の原価は次のように計算されます。
その年の原価 = 年初に残っていた分 + その年に仕入れた分 − 年末に残った分
たとえば年初10万円、仕入100万円、年末15万円なら、原価は95万円です。仕入は100万円でも、経費になるのは95万円ということになります。
棚卸を含めた帳簿をつけていれば、65万円の控除が狙えます。要件を数問で判定します。
材料以外で見落としやすい経費
- 施術用の機器……10万円以上なら減価償却
- 消毒用品・使い捨て手袋……衛生費・消耗品費
- タオル・リネンのクリーニング代……衛生費
- 技術講習・セミナー……業務に直接必要なものは研修費
- 予約システムの利用料……通信費・支払手数料
- サロンの内装・什器……金額により資産
税理士に相談すべきライン
在庫の金額が大きくなってきたとき、店販の比率が高まったとき、消費税の課税事業者になりそうなときは、税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
ジェルやチップは買った年に全額経費になりますか?
施術で消費する材料は、原則として使った分が経費です。年末に大量に残っている場合は、残っている分を棚卸として資産に計上します。
少量の材料でも棚卸が必要ですか?
毎年ほぼ同じ程度しか残らない少額の消耗品まで、厳密に数える必要はないとされることが一般的です。金額が大きい場合や年によって差が大きい場合は棚卸をしてください。
販売用の化粧品はどう扱いますか?
仕入れて売る商品は棚卸資産です。売れた分だけが売上原価になり、年末に残っている分は資産として翌年に繰り越します。
棚卸はどうやってやりますか?
12月31日時点で残っている材料と商品を数え、仕入れた価格で金額を出します。数えた記録(棚卸表)を作って保管してください。
セール品やサンプルはどう数えますか?
実際に支払った金額をもとに計算します。無償で受け取ったサンプルは仕入れていないため、棚卸には含めないのが一般的です。
使いかけの材料はどう数えますか?
厳密に量る必要はなく、おおよその残量で合理的に見積もれば足りるのが一般的です。毎年同じ方法で数えることが大切です。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。