ペットサロンの設備と自宅の使い方|経費にできる範囲
自宅の一部をペットサロンにする場合の按分、設備の処理、自分の飼っているペットの費用が経費になるかどうかを、やさしく整理します。
自宅の一部をペットサロンにしている方は多く、「どこまで経費にできるのか」が悩みどころです。ここは私生活と共用しているかどうかで分けて考えると整理できます。
按分が必要なもの・全額が経費になるもの
| 按分が必要 | 全額が経費 | |
|---|---|---|
| 場所 | 家賃・電気・水道・ガス | — |
| 設備 | 共用のエアコン | トリミングテーブル・専用ドライヤー |
| 消耗品 | — | シャンプー・消毒用品・使い捨てシート |
| 車 | 私用と兼ねる車 | 事業専用の車 |
トリミング用の設備は、自宅サロンでも専用に使うものなら全額が経費です。按分するのは共用しているものだけです。
水道代は実態で按分できることがあります
一般的な家事按分は面積で計算しますが、ペットサロンではシャンプーで大量の水を使うため、面積の割合より実際の使用量のほうが多いことがあります。
この場合、面積ではなく使用実態にもとづく按分も考えられます。ただし「たくさん使っている気がする」では根拠になりません。
- 1頭あたりのシャンプーで使うおおよその水量
- 月ごとの施術頭数
- 開業前後の水道使用量の変化(検針票を保管)
こうした数字があると、割合を説明しやすくなります。開業前の検針票を残しておくと、増えた分がわかって便利です。
設備と工事
トリミング室を作るための工事は、金額が大きくなりやすい部分です。
| 内容 | 扱い |
|---|---|
| 給排水・専用シャワーの工事 | 建物附属設備などの資産→減価償却 |
| 床の防水・張り替え | 内容により資産または修繕費 |
| トリミングテーブル・ドライヤー | 10万円未満なら全額、以上は資産 |
| ケージ・サークル | 1つずつ判定 |
10万円以上でも、青色申告なら30万円未満まで一括で経費にできる特例があります(年間300万円まで)。設備投資が集中する開業時ほど効く制度です。
金額と耐用年数を入れると、少額特例の判定と毎年の償却額がわかります。
自分のペットの費用はどうなるか
いちばん質問が多く、そして判断が分かれる部分です。
原則として、自分が飼っているペットにかかる費用は家事費です。えさ代・医療費・トリミング代は、生活のための支出とされます。
「看板犬として店に出している」「技術練習に使っている」「宣伝用の写真を撮っている」といった事情があっても、生活を共にしている以上、事業のためだけの支出とは言いにくくなります。全額を経費にするのは無理があり、一部を按分する場合も説明できる根拠が必要です。
開業前にかかった費用
開業日より前に払った、開業のための費用は開業費としてまとめて計上できます。
- 開業前に買った道具・備品(10万円未満のもの)
- トリミング技術の講習費
- チラシ・名刺・ホームページの制作費
- 動物取扱業の登録にかかった費用
開業費は繰延資産として、好きな年に好きな額を費用にできます。赤字の年は使わず、黒字が大きい年にまとめる、という使い方ができます。
税理士に相談すべきライン
工事の金額が大きいとき、自宅を購入して事業に使いはじめたとき、自分のペットの費用の扱いに迷うときは、税理士に相談すると安心です。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
自宅の一部をサロンにしています。家賃は経費になりますか?
事業に使っている割合で按分して経費にできます。専用のスペースがある場合は、面積の割合で計算すると説明しやすくなります。
水道代が多くかかります。多めに按分できますか?
シャンプーで大量に水を使うなど実態があるなら、面積ではなく使用実態にもとづく按分も考えられます。根拠を説明できるようにしておいてください。
給排水やトリミング室の工事費は?
建物附属設備などの資産として、耐用年数にわたって減価償却するのが原則です。金額が大きくなりやすいので、工事の内訳がわかる書類を保管してください。
自分が飼っているペットの費用は経費になりますか?
個人のペットにかかる費用は原則として家事費です。撮影や技術練習に使うなど事業との関連を説明できる場合でも、判断が分かれやすい部分です。
看板犬として飼っている場合はどうですか?
事業との関連を主張できる可能性はありますが、生活を共にしている以上は家事費との線引きが難しく、判断が分かれます。全額を経費にするのは無理があります。
開業前に買った道具は経費になりますか?
開業のためにかかった費用は開業費として計上し、任意の年に費用にできます。開業前の領収書も保管してください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。