税務調査で見られる帳簿と書類|何を用意するか
事前通知で対象になる帳簿書類が示されます。日ごろから何を残しておけばよいのか、説明できるようにしておきたい点をやさしく整理します。
税務調査で確認されるのは、申告の内容が帳簿と資料で裏づけられるかです。特別なものを新しく作る必要はなく、日ごろ保存しているものを整理しておくことが準備になります。
基本になる資料
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 帳簿 | 総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳など |
| 決算の書類 | 確定申告書の控え、青色申告決算書、貸借対照表 |
| 売上の資料 | 請求書の控え、契約書、納品書 |
| 経費の資料 | 領収書、レシート、請求書 |
| お金の動き | 通帳、クレジットカードの明細 |
| そのほか | 給与の記録、棚卸の記録、固定資産台帳 |
事前通知で対象になる税目と期間が示されるので、その範囲のものを用意します。
保存の期間
帳簿や書類には、法令で保存期間が定められています。青色申告と白色申告、書類の種類によって年数が異なるため、国税庁の案内で確認してください。
説明できるようにしておきたいこと
調査で聞かれやすいのは、数字そのものより「なぜそう処理したか」です。判断が分かれる処理ほど、理由を用意しておく価値があります。
家事按分
自宅を仕事に使っている場合の家事按分は、割合の根拠を示せるようにしておきます。
- 間取り図に面積と用途を書き込んだもの
- 使用の記録(営業日数、作業時間など)
- 計算のメモ
判断が分かれやすい経費
交際費、旅費、研修費、衣類など、私生活との線引きが問われやすい費目は、目的を記録しておくと説明しやすくなります。
レシートの裏に「◯◯社との打ち合わせ」「△△の取材のため」とひと言書いておくだけで、あとから説明できるようになります。
品目名を入れると、経費になるか・按分が必要か・どの科目かがわかります。
現金の取引
通帳を通らないお金は、記録が残りにくい部分です。現金で受け取った売上、現金で払った経費は、その日のうちに記録する習慣が備えになります。
家族への支払い
専従者給与を払っている場合、実際に支払っているか、仕事の内容に見合った金額かが確認されます。勤務の記録と振込の記録を残してください。
領収書がない支出
なくしてしまった、もらえなかった、という支出もあります。この場合、支払った事実を示す他の資料を残しておいてください。
- 通帳やクレジットカードの明細
- メールやメッセージのやりとり
- 出金伝票と、内容がわかるメモ
レシートがない支出をどう記録すればよいかを解説しています。
電子で保存している場合
会計ソフトのデータや、電子で受け取った請求書を保存している場合は、電子帳簿保存法の要件を満たしているかを確認してください。要件を満たしていないと、保存として認められないことがあります。
電子取引データの保存に対応できているかを数問で確認できます。
準備は「調査のため」ではありません
ここまで挙げたことは、すべて日ごろの記帳と保存です。調査の連絡が来てから慌てて用意するものではなく、ふだんから整えておけば、そのまま準備になります。
そして整った帳簿は、調査のためだけでなく、自分の事業の状態を正しく把握するためにも役立ちます。
税理士に相談すべきライン
調査の連絡が来た時点で相談することをおすすめします。準備する資料の範囲、判断が分かれる処理の説明のしかたについて、専門家の助けがあると安心です。顧問税理士がいない場合でも、立会いだけを依頼できることがあります。
あわせて読みたい: 税務調査の連絡が来たら / 電子帳簿保存法 対応チェッカー
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
税務調査ではどんな書類を見られますか?
事前通知で対象になる帳簿書類が示されます。一般には帳簿、領収書や請求書、通帳、契約書などが確認されます。
帳簿はいつまで保存しますか?
法令で保存期間が定められています。青色申告と白色申告、書類の種類によって年数が異なるため、国税庁の案内で確認してください。
領収書をなくしてしまった分はどうしますか?
支払った事実を示す他の資料(通帳の記録、クレジットカードの明細、メールのやりとりなど)があれば、それを残しておいてください。
家事按分の割合は説明が必要ですか?
按分は自己申告なので、どう計算したかを説明できるようにしておくことが大切です。間取り図や使用の記録などが根拠になります。
会計ソフトのデータでよいですか?
電子的に保存する場合は電子帳簿保存法の要件があります。要件を満たしているか確認してください。
何年分を見られますか?
事前通知で対象になる期間が示されます。その期間の帳簿書類を用意することになります。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。