非居住者になったあとの日本の税金|どこまでかかる
海外に住んでいても、日本で生じた所得には日本の税金がかかります。何が対象になるのか、住民税はどうなるのかをやさしく整理します。
海外に住むようになると、日本の税金はまったくかからなくなると思われがちです。実際には、日本で生じた所得には日本の税金がかかります。
居住者と非居住者で範囲が違います
| 居住者 | 非居住者 | |
|---|---|---|
| 日本の所得税の対象 | 原則として全世界の所得 | 国内源泉所得のみ |
| 各種の所得控除 | 使える | 使えるものが限られる |
| 確定申告 | 通常どおり | 国内源泉所得があるとき |
非居住者かどうかは、国内に住所があるか、1年以上引き続いて居所があるかで判断されます。滞在日数だけで機械的に決まるものではありません。
個人事業主に関係しやすいもの
国内の不動産を貸している
いちばん多いケースです。国内にある不動産の賃貸収入は国内源泉所得なので、日本で課税されます。
さらに、借りている側が源泉徴収をする仕組みがあります。個人が自分や親族の住居として借りる場合など、源泉徴収が不要になる例外もあります。
源泉徴収されていても、それで終わりとは限りません。必要経費や減価償却を反映した申告をすると、納めすぎた分が戻ることがあります。
国内の資産を売った
国内にある不動産や一定の資産を売った場合の所得も、日本で課税されます。
日本の会社から報酬を受け取る
ここは判断が難しい部分です。どこで仕事をしたかによって扱いが変わります。国外で行った役務の対価は国内源泉所得にならないことがありますが、業務の内容によって結論が分かれます。
住民税は1月1日で決まります
所得税とは別に、住民税の扱いも確認しておく必要があります。
住民税はその年の1月1日時点で住んでいた自治体が、前年の所得に対して課税します。そのため、
- 1月2日以降に出国 …… その年の住民税がかかる
- 12月中に転出届を出した …… 翌年の1月1日には住民票がないため、その年の住民税はかからないのが一般的
という違いが出ます。年の途中で出国しても、すでに課税されている住民税は納める必要があります。納税管理人を決めておくと、この納付も任せられます。
二重に課税されないために
同じ所得に日本と居住国の両方で課税されることを避けるため、国どうしで租税条約が結ばれていることがあります。
内容は国によって異なり、
- どちらの国が課税するかの取り決め
- 源泉徴収の税率を軽くする定め
- 外国税額控除による調整
といった仕組みがあります。住む国によって結論が変わるため、一般論だけでは判断できません。
帰国したとき
日本に戻って居住者になると、また全世界の所得が課税の対象になります。海外にいる間に得た資産や収入の扱いについては、帰国のタイミングで確認しておくと安心です。
国内の不動産所得などがある場合の、税額の目安を確認できます。
税理士に相談すべきライン
国内に不動産や事業を残している場合、日本の取引先から継続的に報酬を受け取る場合、居住国でも申告が必要な場合は、国際税務にくわしい税理士に相談してください。この分野は一般的な説明だけでは判断できない部分が多く、誤ると二重課税や申告もれにつながります。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
海外に住んでいても日本の税金がかかりますか?
非居住者になると、日本で課税されるのは国内で生じた所得に限られます。海外で稼いだ所得には日本の所得税はかかりません。
日本のマンションを貸している場合はどうなりますか?
国内にある不動産の賃貸収入は国内源泉所得なので、日本で課税されます。借りている側が源泉徴収をする仕組みがあり、あわせて確定申告が必要になることもあります。
住民税はどうなりますか?
住民税は1月1日時点で住んでいた自治体が課税します。年の途中で出国しても、その年の住民税は納める必要があります。
日本の会社から報酬を受け取る場合は?
どこで仕事をしたかによって扱いが変わります。国外で行った役務の対価は国内源泉所得にならないことがありますが、判断が難しい部分です。
租税条約とは何ですか?
国どうしで結ぶ取り決めで、同じ所得に二重に課税されることを避けたり、税率を軽くしたりするものです。住む国によって内容が異なります。
非居住者かどうかはどう決まりますか?
国内に住所があるか、1年以上引き続いて居所があるかで判断されます。滞在日数だけで機械的に決まるものではありません。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。