廃業するときの手続き|出す書類と期限
事業をやめるときにも、いくつかの届出が必要です。何を、どこに、いつまでに出すのかを一覧で整理し、見落としやすい予定納税の減額申請までまとめます。
事業をやめるときにも、始めるときと同じように届出が必要です。出し忘れると、税務署からはまだ事業を続けていると見えます。あとから問い合わせが来ることもあるので、まとめて片づけましょう。
出す書類の一覧
| 書類 | どんなときに | 期限 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書 | 必ず | 様式ごとに定めあり |
| 所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 青色申告をやめるとき | 様式ごとに定めあり |
| 給与支払事務所等の廃止届出書 | 人を雇っていたとき | 廃止の日から1か月以内 |
| 消費税の事業廃止届出書 | 課税事業者だったとき | すみやかに |
| 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書 | 予定納税がある年 | 期限あり |
人を雇っていた場合
従業員がいた場合、または家族に専従者給与を払っていた場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を廃止の事実があった日から1か月以内に提出します。
あわせて、
- 最後の給与についての源泉徴収と納付
- 従業員への源泉徴収票の交付
- 年の途中なら、年末調整はしない(従業員自身が確定申告するか、次の勤務先で調整)
といった対応が必要です。
消費税の課税事業者だった場合
「事業廃止届出書」をすみやかに提出します。この届出を出すと、課税事業者の選択や簡易課税の選択なども効力を失う扱いになります。
インボイスの登録をしている場合は、登録の取消しについても確認してください。登録が残ったままだと、取引先が確認したときに現状と合わない状態になります。
予定納税は減額できます
見落とされやすいのがここです。前年の税額が一定以上だと、その年の途中に予定納税として前払いを求められます。
廃業して所得が大きく減る見込みなら、予定納税額の減額申請ができます。今年の所得の見積もりを出して申請し、認められれば前払いの金額を減らせます。
払ってから確定申告で返してもらうこともできますが、戻るのは翌年です。資金繰りを考えるなら、減額申請のほうが確実に楽になります。
今年の見込み利益を入れると、税額の目安がわかります。減額申請を検討するときの目安に。
廃業した年も申告します
届出を出しても、その年の確定申告は必要です。1月1日から廃業までの所得について、翌年の確定申告期間に申告します。
会社員に戻った場合は、事業所得と給与所得の両方を申告することになります。就職先の年末調整だけでは終わりません。
廃業後に入ってくるお金や、あとから発生した費用の扱いを解説しています。
税金以外にもやることがあります
税務署以外の手続きも忘れないでください。
- 国民健康保険・国民年金……市区町村の窓口(就職するなら勤務先の社会保険へ)
- 屋号の銀行口座……解約か名義の整理
- 各種の許認可……業種によって届出先が異なる
- 帳簿と書類の保存……廃業後も一定期間の保存が必要
前年の納税額を入れると、7月・11月に納める額と、減額申請の期限がわかります。
税理士に相談すべきライン
売掛金や借入金が残っているとき、設備を売却または処分するとき、消費税の課税事業者だったときは、税理士に相談すると安心です。
あわせて読みたい: 廃業した年の確定申告 / 確定申告の完全ガイド
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
廃業したら何を出しますか?
個人事業の開業・廃業等届出書を提出します。人を雇っていた場合は給与支払事務所等の廃止届出書、消費税の課税事業者だった場合は事業廃止届出書も必要です。
提出の期限はいつですか?
書類ごとに決まっています。給与支払事務所等の廃止届出書は廃止の事実があった日から1か月以内、消費税の事業廃止届出書はすみやかに、とされています。
廃業した年も確定申告は必要ですか?
必要です。1月1日から廃業までの所得について、翌年の確定申告期間に申告します。
青色申告はどうなりますか?
事業をやめるなら青色申告の取りやめ届出書を提出します。不動産所得などが残る場合は、青色申告を続けることもあります。
予定納税を払う予定でしたが。
廃業して所得が大きく減る見込みなら、予定納税額の減額申請ができます。前払いの金額を減らせるため、資金繰りが楽になります。
会社員に戻る場合も届出は必要ですか?
必要です。事業をやめる以上、廃業の届出は行います。就職先での年末調整とは別の手続きです。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。