税務署からお尋ねが来たら|調査とは違います
「お尋ね」という文書が届くと不安になりますが、これは実地の調査ではありません。何を確認されているのか、どう答えるのかを整理します。
税務署から「お尋ね」という文書が届くことがあります。封筒を見ただけで不安になりますが、まず知っておきたいのは、これは実地の税務調査ではないということです。
調査との違い
| お尋ね | 実地の税務調査 | |
|---|---|---|
| 形式 | 文書などによる照会 | 調査官が訪れて行う |
| 事前通知 | 通常はない(文書そのものが連絡) | 原則として事前通知がある |
| 内容 | 特定の点についての確認 | 対象期間の帳簿全体 |
| 加算税 | 自主的に修正すればかからない | 修正申告で課されることがある |
加算税の扱いが違うのが重要な点です。お尋ねの段階で自分から修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。
なぜ届くのか
税務署は、申告書のほかにもさまざまな資料を持っています。
- 取引先から提出された支払調書
- 金融機関や不動産の登記情報
- 過去の申告との比較
これらと申告の内容に確認したい点があると、照会が来ます。
よくあるきっかけは、
- 支払調書の金額と申告した売上が合わない
- 前年と比べて利益率が大きく変わった
- 経費の割合が業種の平均から離れている
- 不動産や高額な資産を取得した
といったものです。
答え方
1. まず内容を正確に読む
何について、どの年分を聞かれているのかを確認します。回答の期限も見てください。
2. 帳簿と資料で確かめる
申告の根拠になった帳簿・領収書・請求書を見返します。記憶で答えないでください。
3. 結論に応じて対応する
| 確認の結果 | 対応 |
|---|---|
| 申告は正しかった | そのまま回答する(根拠の写しを添えると早い) |
| 誤りがあった | **修正申告**をする |
| 判断が分かれる | 税理士に相談してから回答する |
4. 期限までに回答する
間に合わない事情があるなら、その旨を連絡してください。連絡なしに放置するのがいちばん避けたい対応です。
放置してはいけない理由
- 回答がないと、実地の調査につながることがあります
- 誤りがあった場合、自主的に修正すれば加算税がかからない機会を失います
- 延滞税は放置している間ずっと増えます
不安で開封できない、という気持ちは自然なものですが、早く動くほど不利が小さくなるのがこの手続きの特徴です。
よく聞かれる項目
- 売上の計上時期……入金日ではなく取引が確定した日で計上しているか
- 家事按分の割合……どういう根拠で決めたか
- 交際費・旅費……業務との関係を説明できるか
- 現金取引……記録が残っているか
着目されやすい一般的な観点を数問で確認し、整えておきたいポイントを示します。
備えは日々の記帳です
お尋ねに答えられるかどうかは、帳簿と資料が整っているかで決まります。
- 取引をその都度、正確に記帳する
- 領収書・請求書を整理して保存する
- 判断が分かれる処理は、理由をメモに残す
レシートの裏にひと言書いておくだけで、数年後に説明できるようになります。
用意する資料と、説明できるようにしておきたい点を解説しています。
税理士に相談すべきライン
内容が複雑なとき、金額が大きいとき、判断が分かれる処理について聞かれているときは、回答する前に税理士に相談してください。回答の内容によってその後の展開が変わることがあります。顧問税理士がいない場合でも、単発で相談を受けてもらえることがあります。
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参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
お尋ねと税務調査は違うのですか?
違います。お尋ねは確認のための照会で、実地の調査のような事前通知の手続きを経たものではありません。ただし内容によっては調査につながることがあります。
なぜ届くのですか?
申告の内容と、税務署が把握している資料との間に確認したい点があるときに送られます。取引先から提出された支払調書や、不動産の登記情報などがきっかけになることがあります。
回答しなくてもよいですか?
放置しないでください。回答がないと、実地の調査につながることがあります。事情があって期限までに回答できない場合は、その旨を連絡してください。
間違いが見つかった場合はどうしますか?
修正申告をします。調査を受ける前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。
申告が正しかった場合は?
そのまま回答します。根拠になる資料の写しを添えると、やりとりが短く済むことがあります。
税理士に頼んだほうがよいですか?
内容が複雑なとき、金額が大きいとき、判断が分かれる処理について聞かれているときは、相談することをおすすめします。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。