法人の決算と申告|事業年度末からの流れ
法人は事業年度が終わってから2か月以内に申告と納税をします。決算月から逆算して何をするのか、個人の確定申告との違いをやさしく整理します。
個人事業主の確定申告は「毎年3月15日まで」と決まっていました。法人は違います。決算月によって期限が変わります。
期限は決算月で決まります
| 決算月 | 申告・納税の期限 |
|---|---|
| 3月 | 5月31日 |
| 9月 | 11月30日 |
| 12月 | 翌年2月28日(29日) |
2か月は短いと感じるはずです。決算の作業と申告書の作成を、その間にすべて終える必要があります。
決算作業の流れ
- 期中の記帳を締める(漏れがないか確認)
- 残高を合わせる(現金・預金・売掛金・買掛金)
- 棚卸をする(在庫がある場合)
- 減価償却を計上する
- 決算整理(未払費用、前払費用、引当金など)
- 決算書を作る(貸借対照表・損益計算書など)
- 株主総会などで承認する
- 申告書を作って提出し、納税する
提出する書類
個人の確定申告と比べて、書類の数がぐっと増えます。
- 法人税の申告書(別表と呼ばれる複数の様式)
- 決算書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書など)
- 勘定科目内訳明細書
- 法人事業概況説明書
- 地方税の申告書(都道府県・市区町村へ別途)
国税(法人税)と地方税(法人住民税・法人事業税)は提出先が違います。国だけに出して終わりではありません。
赤字でも申告と納税が必要です
ここが個人と大きく違う点です。
- 法人住民税の均等割は、赤字でもかかります(最低で年7万円程度が目安・自治体によって変わります)
- 青色申告で欠損金を繰り越すには、申告を続ける必要があります
「今期は赤字だから申告しなくていい」はありません。
税率の仕組みと、赤字でもかかる均等割について解説しています。
決算月の決め方
設立のときに自由に決められます。選ぶときの観点は、
- 繁忙期を避ける……決算作業に時間を取れる時期にする
- 在庫が少ない時期にする……棚卸の手間が減る
- 売上の波を考える……期末近くに大きな売上が立つ月は避けると見通しが立てやすい
- 納税の時期……申告の2か月後に資金が必要になる
3月決算にする会社が多いのは慣習によるところが大きく、必ずしも合理的とは限りません。自社の事業のリズムで決めてください。
決算の2か月前から動く
決算を迎えてから考えるのでは遅い項目があります。
- 設備投資のタイミング(期末までに事業に使い始めているか)
- 未回収の売掛金の確認
- 在庫の実地棚卸の段取り
- 納税資金の準備
設備投資をした場合の償却額と、少額特例の判定ができます。
前期の法人税額と決算月を入れると、中間申告が必要かと金額・期限がわかります。
税理士に相談すべきライン
法人の申告書は個人の確定申告より複雑で、税理士に依頼するのが一般的です。自分で作る場合でも、最初の期は確認してもらうことをおすすめします。決算月を決める段階から相談できると、その後が楽になります。
参考にした一次情報(出典)
本記事の制度・数値は、次の国税庁の公表情報を参照しています。税率・控除額・要件は改正で変わるため、最新の内容は各ページ(一次情報)でご確認ください。
よくある質問
法人の申告期限はいつですか?
原則として、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。個人の確定申告のように全社共通の日付ではなく、決算月によって変わります。
決算月は自由に決められますか?
設立のときに自由に決められます。繁忙期を避ける、在庫が少ない時期にするなど、実務のしやすさで選ぶのが一般的です。
提出する書類は何ですか?
法人税の申告書に、決算書(貸借対照表・損益計算書など)や勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書などを添付します。地方税の申告書も別に提出します。
赤字でも申告は必要ですか?
必要です。赤字でも法人住民税の均等割はかかります。また青色申告なら欠損金を繰り越すために申告が要ります。
個人の確定申告と何が違いますか?
期限が決算月ごとに違うこと、申告書が複雑なこと、赤字でも税金がかかること、国税と地方税を別々に申告することなどが違います。
期限を延ばせますか?
一定の場合に申告期限の延長が認められる制度があります。ただし納付については別の扱いになるため、税理士にご確認ください。
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本記事は一般的な解説であり、税務代理・税務相談ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。 税制は改正されます。最新の法令・通達と対象年度をご確認ください。